大人が話せば、行動修正できる子どもさんの場合は、対面で話し合うことも、良いと思います。
認められる行動をした時は、子どもからも目を合わせて来るし、大人も対面でたくさん褒めますね。
ところが、子どもが元気がない時や、不登校気味の時、あるいは何か社会的にマイナスな行動をした時は、大人が対面で、励ましたり、言い聞かせたり、頭ごなしに叱ることは、子どもの心と離反しやすいです。
子どもと並ぶ
そういう時は、子どもの側に並んで、同じ方向を見て話すことが、子どもの心をつかみやすいと考えています。
「並んで座る」「並んで話しかける」ことが、まずは物理的に空間的に、子どもにとって一心同体の感じがします。
「寄り添う」とは、対面の位置関係でなく、同列の位置関係にいることだと思うのです。
その考えの基本は、赤ちゃんや子どもが、保護者の膝の中にいる原風景です。
保護者が安心安全の基地である、その基地から子どもは外の世界へ出かけてまた戻ってくる、子どもはいつも、そういう安心安全の基地にいる人の見守りの中で、発達していくと思います。
子どもの支えになりたい、子どもを励ましたい、子どもの気持ちを聞きたい、子どもと話し合いたい、そう思ったら、一番初めにすることは、側に並ぶことです。
そうしてもらうと子どもは、一心同体の感じがしたり、同じ方向を見て支えてもらえる感じがします。
子どもの共感者=共犯者になる ①おもちゃの取りっこで、手が出てしまう子どもがいます。
対面で、「しません」「痛いでしょ」「順番」 という言い聞かせは、家庭でも保育園でもよくあると思います。
対面の言い聞かせは、「叩く」という行動を、消去しようとするお説教ですね。
手を出した子どもの心は、どこに行ったでしょうか。
対面で叱るだけでは、子どもは孤独になり、怒りが増すだけです。
子どもの心を探す時は、対面を避けて、しゃがんで隣に並びましょう。
手を出した子どもの心をつかむには、一番初めに、子どもと同じ気持ちになる、共犯の言葉「借りたかったの?」が重要です。
それから、どうすべきかの言葉、「お願い、貸してって、言えると思うよ」
共同共犯で、一心同体になる言葉「一緒に頼もう」
最後に、社会的に望ましい言葉「それと、ごめんね、だね」
子どもが押し黙っていても、大人が積極的に気持ちを代弁します。
回数を重ねていくうちに、ママは先生は僕の気持ちをわかってくれる、僕の味方なんだ、言う通りにしてみよう、という変化が現れます。
誰でも、気持ちをわかってもらえたら、素直になります。
その子どもの、心の味方にさえなれれば、「使い終わったら、お友だちに貸してね」「時計の数字のいくつのところまで使う?」などの、予告や約束も可能になると思います。
子どもの共感者=共犯者になる ②ゴロゴロ寝転んで、参加しないとき
子どもがゴロゴロ寝転んで、仲間たちに参加しない時、まずは一緒に隣に寝転んで、「何が見えるの? どんな気分? のびのびするねえ、背中が伸びるね」 と、共犯者になって、言ってみるのはどうでしょうか。
並んで寝ころんで、手をつなぐのもいいでしょう。
並んで同じ方向を見て、それから、「〇〇を1つやってみよう」 と誘うのは、どうでしょう。
対面で上から誘うより、ずっと子どもの心をつかめるような気がします。
一度、お試しください。
もちろん、先生が脳の中で考えていること、「リズムを踊ろう」を絵に描いて見せる、あるいは行動絵カードを手渡すと、子どもは動きやすくなると思います。
子どもの共感者=共犯者になる ③危険なことをするとき
子どもは、自分の身体能力を確認するかのように、できることをしますね。
小山があれば登り、木があれば登り、枝があればぶら下がります。
公園や園庭には、小山のかわりにジャングルジムや滑り台があったり、木の代わりに登り棒やうんていがあったりします。
大人の見守りがなくて、事故が起きると、遊具が撤去され、子どもたちは公園でスリルを楽しむことができなくなり、一層仮想ゲームのスリルの世界に閉じていきます。
上の画像は、木登りの画像です。
ご自宅の庭の木だったら、なんでもない、画像のように登るのを手伝えばいいですね。
仮に、公園で、他の家族の目があって、登らせたくないと思う時は、初めに禁止の言葉を出さないで、共犯者の言葉を出します。
「共犯=共感の言葉」です。
同意して肯定して認めて受け入れ、子どもの満足(自全態)の中で、次回の社会ルールに繋げるという方針の言葉です。
「木があったね。登りたいね。登ると木が『痛い』って言うかもしれないから、1回だけ特別にね。この次は触るだけにしよう。」
1回だけの共犯は、どうでしょうか。
指の1👆を立てて、見せることが重要です。
あるいは「この次は、小さい子が真似して危ないから、お兄ちゃん、我慢できるかなぁ。我慢できるね。カッコイイ。」などはどうでしょう。
代替え行動としたら、「木に登ると、木の虫がびっくりしちゃうから、あっちのジャングルジムに登ろうか。」などですかね。
その場所から離れる、移動についての奥の手は、「おんぶするよ」かな?と思います。
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