成人したダウン症のまさや君の最近の悩み
お母さんや家族の配慮と支えで、まさや君は快適に暮らしている。
まさや君のストレス防御SOSの幻視であった「怖い人」が見えなくなって、まさや君もお母さんも日常を取り戻した。
一番身近で、まさや君のことを見ているお母さんに、生活上の不都合を尋ねてみた。
以下のような、5つの苦労がお母さんから語られた。
①ステーキが好きだけれども、ナイフとフォークで自分で細かく切れずに、口に入れてからも楽に噛めない。
仲間や家族との外食では、柔らかくてカットしやすく噛みやすいハンバーグを選んでいる。
メニューにハンバーグもない時は、1人だけラーメンを頼んでいる。
かわいそうだ。
そのラーメンも、熱いからか、1本ずつ食べるので、時間がかかる。
➁時間の感覚がないのか、お風呂で長いことシャワーを浴びている。親が声をかけるまでやめない。
③作業所のお仕事から帰って来て、着ていた衣類を洗濯機に入れるのだが、洗剤や柔軟剤の計量がとても難しい。
④最近、着替えに時間がかかったり、食事に時間がかかったり、次の作業に取り掛かることが遅れるようになった。
⑤小さい頃は活発で、大きな声で元気よく話していたが、最近ますます声が小さくなり、ほとんど音を出さないようになった。
以下に、①➁③の番号対応で、それぞれのチャレンジ策を記した。
他の方の参考になれば、お母さんも私も嬉しい。
①ステーキを切るカーブハサミ
まずは、まさや君の食べる様子を知りたいと思った。
焼きそば・スパゲティ・唐揚げ・ヒレカツ・低カロリー カップラーメンを、数回にわたって1つずつ購入し、午後のまさや君との学習で、それぞれ食べてもらい、実際の食事の様子を見た。
お母さんから話は聞いていたが、汁気のない、焼きそば・スパゲティは、上手に食べた。
お母さんの苦労したしつけで、きれいな食べ方だった。
見ていて、1本ずつ食べる理由は、麺が長いからかな?と思った。
そこで、私が介護の中で情報を得た、「食材を逃さずカットするカーブハサミ」というものをAmazon で手に入れた。
熱い麺を別の器に移して、麺をカットして、2~3回食べる。
長い麺をカーブハサミで短く切ると、まさや君も箸で束を掴んで、食べやすかった。
スープと麺がが冷めたら、元のカップで、長い麺でも、束で食べられる。
唐揚げ・ヒレカツは、病院の電子レンジで1分ほどチンして温め、カーブハサミで1㎤くらいに細かく切ってやり、食べてもらった。
大きな塊の肉より、噛みやすいようだった。
熱いカップラーメンも、別の容器に麺だけ移せば早く冷める。
外食のお店では、小さい器を借りたらいい。
冷めていれば、1本ずつでなく、数本ずつ食べられる。
長くて食べにくければ、別容器に移した麺を、カーブハサミで自分でカットする。
家族も指導員さんも、まさや君が食べやすいように食事のお世話をしてくれるが、まさや君自身がカーブハサミでカットできれば、さらに自立に向かう。
カーブハサミという道具で食事が楽になれば、それが一番いい。
乾燥機付き洗濯機を使ったり、お掃除ロボを使ったりする、道具で私が楽になろうとする仕組みと同じだ。
それはお母さんの願いでもある。
お母さんも「家で練習してみます。外食の時持たせてみます。」ということになった。
以降、使ってくれている。
➁お風呂タイマー
我が家は浴室に、防水アナログ時計を置いている。
アマゾンで900円だった。
ニトリにも、同じ値段で、アナログバスクロックがある。
私が老眼になって、ユニットバスの液晶時刻表示が見えない。
15 ㎠ ほどの大きなアナログ時計を置いて、それを見ながら私は10分間浴槽に浸かっている。
このバスクロックは防滴仕様で、数字が大きく、はっきりして見やすいところがいい。
まさや君の場合は、浴び続けるシャワーの終わりが分かるといいと思って、0になるタイマーがいいと思った。
防水タイプのキッチンタイマーなら、お風呂で使える。
Amazon で探すと、あった。
このタイマーが便利なところは、10分・5分・3分・1分が、ボタン1つで選べることだった。
まさや君が3分ボタンを押して、3分シャワーにかかるといいと思った。
ニトリのアナログ防水時計と Amazon の防水タイマーを、それぞれお母さんに差しあげた。
お家で、お母さんの声掛けで、シャワータイマーとして使ってもらっている。
③洗濯を楽にしたジェルボール
15年の介護の中で、私は徹底的に家事を省エネ化した。
洗濯のジェルボールも、その中で覚えた。
液体洗剤よりも、2割高いかもしれないが、ジェルボール洗剤は、洗剤の計量がなくなり、断然楽だ。
少し話が横道にそれるが、私は液体の詰め替えの作業が、とても苦手である。
私の性格で、容器に満杯に詰め替えようとするのがいけないのかもしれないが、「注ぎ口と上昇してくる注ぐ量」の2つを同時に見ることが私にはできない。
容器に注ぐ量がひどく足りないか、容器から溢れてこぼすか、のどちらかになってしまう。
こぼすと、ちっともエコにはならない。
イライラするので、詰め替えパックを買わないで、新しい容器ごと買っている。
どうして容器が透明でないのかと思う。透明なら見えるのに。
詰め替えパックの切り取り口にも、いつもイライラしている。
いつも楽をしたい、苦労を嫌う、自分でも呆れる性格である。
話を戻すと、ジェルボール洗剤は計量がいらず、洗濯機にポンと放り込めばいいので、本当に楽だ。
家事の専門家である、まさや君のお母さんも、ジェルボールを未経験だった。
アリエールジェルボールをプレゼントした。
おうちで、まさや君とジェルボールを使ってみて、お母さんも「これは便利」と、とっても喜んでくれた。
P&G「ボールド」ジェルボールならば、洗剤だけでなく柔軟剤も入っているので、洗剤と柔軟剤がこれ1つで良い。
食品カットのカーブハサミ、防水お風呂タイマー、ジェルボール洗剤という道具で、まさや君と家族の生活が楽になれば、それが一番いい。
「④時間の見えるタイムタイマー」と、「⑤iPad 音声入力アプリ『かなトーク』」については次回投稿したい。
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