ことばを発生させる方法 4

これまで3回の投稿で、事象と事象を概念で「結びつける学習」を紹介しました。

音声のない子どもも、ブラックボックス=概念を持っています。

音声のことばがなくても、ピンポン玉は丸穴に入る、丸いリングは棒にぴったり、円板は長方形のスリットに対応する、など、A事象とA’ 事象を、ブラックボックス=概念で紐づけられます。

今回は「対応を分ける学習」を紹介します。

「言葉は、対応を分ける状況で生まれる」とは、恩師中野尚彦先生の言葉です。

対応を分ける学習

3回の結びつけ学習で使った教材で、対応を分ける学習ができます。

これまでは、単体の対応を学習しました。

ピンポン玉Aは丸穴A’ に入る、丸いリングBは棒B’ にぴったり、円板Cは長方形のスリットC’ に対応する、などです。

単体の対応では、対応する操作を楽しむ、運動感覚を満たす、意味合いも大きいです。

単体の対応では、目と手の協応や、手指の巧緻性もねらえます。

子どもが嫌がったら、その操作は、まだ難しいということです。

子どもは、できることをします。

できないことは、やりたがりません。

以前、療育に来ていた、音声の言葉のないあっちゃんは、学校で、1試行やってはトランポリン、1 試行やってはトランポリンと、トランポリンを基地にして、机の上の学習もできたそうです。

子どもが、何なら喜んでやってくれるか、楽しんで夢中になるか、ボール、ミッキーマウス、アンパンマン、トーマス、ポケモン、昆虫、恐竜など、子どもの好きなものをいつも探しています。

今回療育に見えた可愛い子ちゃんは、提案したものに、どれも手を出してやってくれました。

私も、対応関係を指差しでつなげたり、入れ方をやって見せたりします。

玉入れは一番楽しそうにやり、リングさしはやや難しそうだがチャレンジし、スリット通しが一番難しかったので、入るように手伝いました。

2種類を入れ分ける

対応を分ける学習は、単体の対応を、複数の対応にします。

ピンポン玉Aは丸穴A’ に入る、丸いリングBは棒B’ に入る状況

ピンポン玉Aは丸穴A’ に入る、円板Cは長方形のスリットC’ に入る状況

モンテッソーリ教具では、玉入れとスリット通しを入れ分けます。

玉入れとスリット通し

スリットは大きな円板から小さな円板に移行できます。

リングさしとスリット通し

対応しやすいように、ゴールの近くに、入れるものを置く

リングさしとスリット通し

分けることを楽しめそうなら、入れるものの距離をゴールと離す

スリット通しと棒入れ

新しい対応「棒入れ」を登場させる

塩ビ管さしと棒入れ

2種類の対応がうまくいかない時は、下の枠の箱を2つにしてみてください。

見本に1つ2つ入れて見せておくと、「こうするのだな」という真似も起きやすいです。

3種類を入れ分ける

2種類の対応を分ける学習がうまくいったら、3種類もやってみます。

生活の中の、事象と言葉の対応は、3種類よりももっと複雑で、もっと層構造があります。

対応を分ける学習は、2~3種類からスタートですね。

ゴールの手前に入れるものを置くと、分ける対応はやさしい

入れるものの置き方を、ランダムにしても、対応を分けて楽しむようになります。

ゴールが遠くても「これはここ」「これはこっち」と対応する概念が分かれて行く

子どもの中には、1音ならば、出しやすい子どももいます。

1音ならば「アー」「ハー」「ママ」「パ」など、いくつか持っている子どももいます。

ボールの「ボ―」「オー」、押す動作の「ポン」「オ」、入ったの「ター」「アー」など、子どもが出しやすい音を、操作の時に大人も1音で言ってみましょう。

子音よりも母音の方が子どもは作りやすいので、「オー」「オ」「アー」でOK。

音声も運動なので、手の運動と同時だと、出やすいです。

お試しください。

机上場面の概念形成と、生活場面での概念形成

概念は、見たものを語るサイン=指差し、欲しい物をかたどる=身振り、伝えるための動作、でも表現されます。

指差し、身振り、動作は、お互いのコミュニケーションを分かりやすくします。

視空間を限定した、机の上での整理された対応学習を始めると、食事・着替え・入浴などの生活場面での指さし、身振り、動作が起きやすくなることがあります。

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