これまで3回の投稿で、事象と事象を概念で「結びつける学習」を紹介しました。
音声のない子どもも、を持っています。
音声のことばがなくても、ピンポン玉は丸穴に入る、丸いリングは棒にぴったり、円板は長方形のスリットに対応する、など、A事象とA’ 事象を、で紐づけられます。
今回は「対応を分ける学習」を紹介します。
「言葉は、対応を分ける状況で生まれる」とは、恩師中野尚彦先生の言葉です。
対応を分ける学習
3回の結びつけ学習で使った教材で、対応を分ける学習ができます。
これまでは、単体の対応を学習しました。
ピンポン玉Aは丸穴A’ に入る、丸いリングBは棒B’ にぴったり、円板Cは長方形のスリットC’ に対応する、などです。
単体の対応では、対応する操作を楽しむ、運動感覚を満たす、意味合いも大きいです。
単体の対応では、目と手の協応や、手指の巧緻性もねらえます。
子どもが嫌がったら、その操作は、まだ難しいということです。
子どもは、できることをします。
できないことは、やりたがりません。
以前、療育に来ていた、音声の言葉のないあっちゃんは、学校で、1試行やってはトランポリン、1 試行やってはトランポリンと、トランポリンを基地にして、机の上の学習もできたそうです。
子どもが、何なら喜んでやってくれるか、楽しんで夢中になるか、ボール、ミッキーマウス、アンパンマン、トーマス、ポケモン、昆虫、恐竜など、子どもの好きなものをいつも探しています。
今回療育に見えた可愛い子ちゃんは、提案したものに、どれも手を出してやってくれました。
私も、対応関係を指差しでつなげたり、入れ方をやって見せたりします。
玉入れは一番楽しそうにやり、リングさしはやや難しそうだがチャレンジし、スリット通しが一番難しかったので、入るように手伝いました。
2種類を入れ分ける
対応を分ける学習は、単体の対応を、複数の対応にします。
ピンポン玉Aは丸穴A’ に入る、丸いリングBは棒B’ に入る状況

ピンポン玉Aは丸穴A’ に入る、円板Cは長方形のスリットC’ に入る状況

モンテッソーリ教具では、玉入れとスリット通しを入れ分けます。

玉入れとスリット通し

リングさしとスリット通し

リングさしとスリット通し

スリット通しと棒入れ

塩ビ管さしと棒入れ

2種類の対応がうまくいかない時は、下の枠の箱を2つにしてみてください。
見本に1つ2つ入れて見せておくと、「こうするのだな」という真似も起きやすいです。
3種類を入れ分ける
2種類の対応を分ける学習がうまくいったら、3種類もやってみます。
生活の中の、事象と言葉の対応は、3種類よりももっと複雑で、もっと層構造があります。
対応を分ける学習は、2~3種類からスタートですね。

入れるものの置き方を、ランダムにしても、対応を分けて楽しむようになります。

子どもの中には、1音ならば、出しやすい子どももいます。
1音ならば「アー」「ハー」「ママ」「パ」など、いくつか持っている子どももいます。
ボールの「ボ―」「オー」、押す動作の「ポン」「オ」、入ったの「ター」「アー」など、子どもが出しやすい音を、操作の時に大人も1音で言ってみましょう。
子音よりも母音の方が子どもは作りやすいので、「オー」「オ」「アー」でOK。
音声も運動なので、手の運動と同時だと、出やすいです。
お試しください。
机上場面の概念形成と、生活場面での概念形成
概念は、見たものを語るサイン=指差し、欲しい物をかたどる=身振り、伝えるための動作、でも表現されます。
指差し、身振り、動作は、お互いのコミュニケーションを分かりやすくします。
視空間を限定した、机の上での整理された対応学習を始めると、食事・着替え・入浴などの生活場面での指さし、身振り、動作が起きやすくなることがあります。
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