教育仮設No.20 ソーシャルスキルの形成かるた
家庭はもちろんのこと、保育園や小学校低学年で、使いやすいソーシャルスキルかるたがある。
向山洋一先生で有名な、教育技術研究所TOSSサークルの 五色ソーシャルスキルかるたである。
「学校・勉強・挨拶・生活・友達」の5種の行動について、20枚ずつ100枚の絵かるたとなっている。
私が使っているのは、初版の古いかるたなので、購入してみたい方は2015年版のリニューアル版をお勧めする。
リニューアル版は、読み札と取り札とセットになって、税込3000円である。
家庭でも保育園でも使えるかるた
このかるたは、小学校低学年向けに開発されたものだが、家庭でも、子どもの行動に合うものを吟味して使える。
家庭で、カードの使い始めは、今、できていることから使うと、子どもに受け入れられやすい。エプロンのポケットに3枚ほどカードを入れておく。朝のおはようが言えていたら、上段左から2番目のカード「挨拶は目と目が合ったら気持ちいい」などと言って、絵を見せる。家庭に合うように合言葉が変わってもOK。できていることに使ったら、「挨拶できたね」と必ず褒めて、食事作法課題=3・4枚目の「親しき中にも礼儀あり、口閉じてもぐもぐごっくんこぼさずに、も頼むね。」を食卓で見せる。
子どものしつけ方がわからない保護者にとっては、わかりやすい育児目標の言葉となる。
子どものしたことを叱るよりも、かるたの言葉で、「こういう風にしよう」という、合言葉に使うといい。
もちろん、保育園でも1月から3月にかけて、年長組さんにはピッタリのかるたである。
発達に合うカードを精選すれば、年中組さんでも使える。
社会的行動の形成かるた
あの子のこういう行動が困る、この子のこういう行動が心配だと、行動評価することにとどまるのでなく、望ましい行動を形成する、子どもの行動の一歩先を行くかるたなのだ。
七五調の口調のいい言葉に、シンプルで的確なイラストがついている。
保育士さんは絵が上手いが、私は自分で絵を描かなくてもいいので、とても助かる。
上の句と下の句で、かるたとして扱える。
幼い幼児にはイラストと下の句だけでも、大人が伝えたいソーシャルスキルが十分に伝わる。
ソーシャルスキルかるたが良い理由は、他にもある。
望ましい態度の言葉掛けが、定型となることである。
リズミカルな口調で、子どもの記憶に残りやすい。
あいうえおかるた・いろはかるたや、百人一首・地方かるたも、子どもにとって楽しいと思う。
核家族化や個人主義が進んだ現代では、子ども達がソーシャルスキルを入力されるチャンスが社会的に少ないので、TOSS サークルのかるたで、ソーシャルスキルを学ぶチャンスが増えると良い。
幼児から小学校低学年にかけて覚えた記憶は、一生ものの記憶になる。
小学校低学年では、毎週の道徳の時間に使う先生もいる。
学校で、最初に身に付きやすいスキルは、物理的なスキルだ。上段左から、次の用意・着席・筆箱・鉛筆・椅子入れて立つ・プリントどうぞなど。それらを「できるね」と認める中で、友達との対人協調関係の合言葉へと、心理的なスキル形成に持っていく。1日に1つを、目標の合言葉に使ってもいいし、1週間の目標でもいい。単純に「かるた」として使ってもいい。
この時期に、望ましい行動を刷り込まれることは、大事だ。
手で触われて、手で動かせて、目で見てわかる、そしてリズムと口調もいい。
TOSSの学校ソーシャルスキルカード
通常学級でも見やすい大型のカードには、【楽しく覚える!学校生活の行動規範】学校ソーシャルスキルフラッシュカード ②学校生活編もある。
子どものアンガーマネージメント
保護者や先生が悩む、子どものアンガーマネージメントについても、みんなの怒りスイッチをさがせ!: ゲームで身につくアンガーマネジメント がある。
子どもが、イライラのきっかけを知り、言葉にすることができる。
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