「うんこドリル」というドリルが、一世を風靡しました。
小学生の子どもさんを持つ保護者や学校の先生、放課後デイサービスの先生であれば、知らない人はいないと思います。
「うんこ」という響きや興味にひかれて、子どもたちは手を伸ばしたと思います。
保護者の皆さんも、どんな内容かと本屋さんで中身を確認しながら、恐る恐る購入したことでしょう。
私も、病院の療育場面へ持ってきてくれた、小学校1年生の子どもさんの、うんこドリルを拝見しました。
文章は短文でよく練られていて、汚い表現にならないように、工夫されています。
子どもたちが、クスッと笑って取り組みそうな姿が、目に浮かぶドリルです。
「うんこ」という3文字がつく絵本も、平成になってからは、何冊も発刊されていますね。
「うんこ」という表現が、「汚いもの」というイメージから、「健康に大切な人間に欠かせないもの」というイメージに、現代は転換したと思います。
評判のうんこドリルをいくつか紹介します。
うんこドリル
4・5歳向き「まちがいさがし」
上から下へ探す、左から右へ探す、照合や空間づくりのために、間違い探しドリルを使うと良いと思っています。
①探す場所を上からに限定する30 cm ものさしを下にすべらせて照らし合わせる。
➁2つの場所の比較照合のための視線に代わる指さしをする。
③記憶を助けるつぶやきをする、などが大切です。
このような経験が、学校での、「比較照合」「書写の力」を形成します。
うんこドリル総復習1年生算数・国語
算数と国語の2教科がまとめられているので、それぞれのページ数が少なくなり、本当に大切な項目だけドリルになっているので、良いと思います。
文章題を手伝う時は、大人が必ず問題の意味を絵に描いてあげてください。
イメージを持って、何算か、式を立てる、ということを子どもに伝えるためです。
今回は、「うんこドリル」の他にも、子どもたちが取り掛かりやすい、子どもたちの得意な分野=確定域(梅津八三の言葉)を取り込んだドリルを、紹介したいと思います。
図鑑漢字シリーズ
「図鑑漢字シリーズ」は、漢字学習の投稿で、紹介したことがあります。
子どもの好きな昆虫を学習への動機付けに使う | 猫ちゃんブログ
物の見え方と不器用さを理解して漢字記憶を助ける方法 | 猫ちゃんブログ
「危険生物・昆虫・鉄道・恐竜」の4冊だったシリーズも、「動物・宇宙」が増えて、6冊になりました。
このドリルの特徴は、6年間に習う漢字1026字が、1冊に収められていることです。
事典のように、ページにカラーの絵が付いているので、子どもの興味をひきます。
巻末には、学年ごとにまとめられた新出漢字も、2 ㎠ 角の大きな漢字表で載っているので、習っていない漢字も、漢字表を見ながら、写すことができます。
好きな分野に対しては興味を持って、調べる気持ちが起きる子どもたちですから、1年生から予習にも使えます。
ドリルのスタートは、1年生から3年生までに習った漢字を文中に織り込んでいるので、4年生であれば、楽に最初のページから取りかかれます。
中学生になる子どもさんが、小学校6年間の漢字の復習に、宿題の出ない春休みに使うのもいいですね。
鉄道ドリル
できれば、学年ごとに作られているドリルがないかな?と思って探していたところ、「鉄道ドリル」というのを見つけました。
これは、1年生から4年生までの漢字が、各学年1冊になっていて、学校の教科書の進度に合わせて、使いやすそうです。
鉄道関係が好きなお子さんなら、なおさら漢字の学習に取り掛かりやすいですね。
算数・国語・生活に関する、鉄道漢字が乗っています。
学校の宿題の漢字練習をできなくても、「好きな、このドリルをしました!」と、ドリルのページか、ドリルのページのコピーを、宿題の代わりに提出する、ということも、学校の先生に交渉してみてください。
宿題を何もしないゼロよりも、宿題の代替えのドリルならばする、とっても良い学習方法だと思います。
鉄道漢字ノート
プチ鉄ブックスの第4弾「鉄道漢字ノート」は、小学校「低学年」から学べます。
全国の新幹線・人気列車・駅名の漢字を150語、学べます
1~3年生で習う漢字が、中心になっています。
興味のあることに対しては、やる気の出る子どもたちですから、1年生でも楽しめます。
習っていなくても、きっと、覚えたがります。
推理ドリル
編科学漫画サバイバルシリーズ第4弾「推理ドリル 虫編」は、文章読解を目的にした、読む力・考える力をつけるドリルです。
対象は9歳以上となっており、4年生から取り組めるものです。
昆虫が大好きな子どもさんであれば、3年生でも、大人に教えてもらいながら取り組めるでしょう。
他に、人体編・生き物編、があります。
好きな分野で漢字学習することが脳を活性化させ、やる気にさせる
ドリルは、一人でできることがいい時もあるし、 大人と一緒にコミュニケーションを深めながら学べるといいときもあると思います。
ドリルへの取り掛かりを良くするには、漢字解答選択肢を、はがせるシールに書いておくといいです。
空欄に書くということは、頭が真っ白な状態で、漢字を書けということなので、難しくて嫌になります。
解答選択語群が見えていて、比較照合で選ぶという時に、子どもは正解を一番学びます。
漢字ドリルも、できれば大人が見守る形で、一緒にできるといいですね。
昆虫・恐竜・鉄道など、好きな分野で家族と会話したり、漢字も勉強できる、一石二鳥のドリルです。
ドリルを探す時は、子どもさんの好きな「分野の名前,ドリル」と、ネットで検索してみてください。
子どもさんと一緒に、書店も覗いてみましょう。
以上の、どの漢字ドリルも、子どもの学年が異なる支援学級の漢字指導にも、役立てられると思います。
また、どの漢字ドリルも、通級指導教室での漢字指導にも、とても活躍すると思います。
小学生の絵画とっておきレッスン
漢字は苦手だけれど、絵が好きだという子どもさんが、たくさんいます。
苦手な漢字を克服させようとするよりは、好きで得意な絵の才能を伸ばしてあげると、自由自在に描けるようになった絵の力の勢いで、苦手な漢字にもチャレンジしやすくなります。
絵という「確定域の拡大」によって、苦手な漢字へも「踏み出しが起きる」、梅津八三のいう革生行動(革命的な生活行動)が起きます。
絵の力を伸ばす本が、「小学生の絵画とっておきレッスン」です。
Amazon でベストセラー1位、Amazon で試し読みができます。
173人の評価は、星4つです。
絵がシンプルで分かりやすく、お手本が描かれているので、真似しやすいです。
コップを立体的に描けるようになった、家を立体的に描けるようになった、など、私も真似からできるようになりました。
「真似から学ぶ」ということは、起きやすいことのように思います。
描きかたを見守って、同行する大人が、描きかたのコツを、一緒に言語化するといいですね。
エネルギーが落ちた時、好きな分野を大切な基地にしよう
家族と一緒に、放課後デイの友だちや先生方と、通級指導教室の先生と一緒に、お絵かきが豊かになることは、漢字が苦手な子どもたちの、特別な自信に繋がります。
長い夏休みの後で、仮に2学期に、エネルギー切れの不登校が起きても、「よっしゃ、相談室や保健室、通級指導教室やお家で、好きなドリルで勉強もチャレンジしていこう。」と、好きな分野のお勉強に力を入れると良いと思います。
そのためにも、この子は何が好きなのか、大人は情報を集めておきましょう。
好きな分野の勉強のやり取りで、先生や学校とも、また、コミュニケーションが復活するに違いありません。
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