大人の発達障害のかたの働き方と対人関係性を優先するコミュニケーション

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小さなことにとてもこだわるという点で、私は自閉症スペクトラムのかたに近いこだわりを持っています。

子どもの頃から、洋服の襟のタグがチクチクして嫌で切り取ったり、時計の秒針のチクタクが気になって眠れないから無音の時計を買ったり、カーテンで部屋を真っ暗にしないと眠れなかったりする、Highly Sensitive Person(ハイリー センシティブ パーソン)傾向です。

私が自閉ちゃんたちを好きな理由は、自分と似ている過敏さに、親近感を持っているからかもしれません。

病院の小児科で係わってきた発達障害の子どもたちが、20年経って大人になりました。

均一と均質を求められる小中学校時代よりも、大人になって就職した今では、楽に暮らしている発達障害のかたもいます。

その一方で、就職した先で、苦労を抱えた大人の発達障害のかたが相談にみえたので、次のようなアドバイスをしました。

アイキャッチ画像のイラストは、子ども情報ステーション「ひとりじゃないよ」からのものです。

自分の心身の健康を守れる80%の働き方にする

発達障害のないかたは、100のエネルギーで仕事をしても、土日に休めば、疲労から回復します。

しかし、発達障害のあるかたは、苦労の無い100のエネルギーのかたと比べて、80のエネルギーであり、求められる100の仕事をしようとすると、人の1.25倍働かなければならず、過労になります

過労になると、適応障害やうつ病を発症しやすくなります。

発達障害のかたは外側に合わせる力が少ないので、自分が職場に合わせるというよりも、自分に合う職場を選ぶようにします。

100の仕事を諦めて、80の仕事が、自分が最も適応しやすい仕事と考えるのはどうでしょうか。

そういう目線で、働く環境を探すのはどうでしょうか。

常勤職でなく、非常勤職の仕事のほうが、かかってくる負荷が少なくなります

例えば、週5日のフルタイム勤務でなく、真ん中の水曜日を休むことにして、月火木金の週4日勤務にする。

あるいは、残業を免除してもらえる、9時から5時の短時間勤務を保障してくれる職場を探す。

あるいは、3交代のシフト制は適応調整が3通りあって大変なので、交代のない、遅番だけの勤務を希望します。

あるいは、土日祭日を中心に、一般の人が休みたい時に働く勤務なら、求人も多いですね。

大企業で、たくさんの上司と同僚に気を使う職場でなく、こじんまりとした会社に勤めるのも良さそうです。

収入と健康とどちらを取るか

収入が少ないことが悩みであれば、徒歩か自転車通勤ができる近い職場にすると、年間40万円の車の購入費及び維持費が要らないです。

実家から勤務すれば、お給料をそっくり貯金することも可能ですね。

社会で働く適応が制限されれば、不適応の程度によっては、障害年金の申請も可能です。

障害の程度によって、障害年金は働きながらもらうことも可能です。

心身ともに健康で、時間に余裕のある生活の中で、お金のかからない趣味を見つけると、友達や恋人もできるかと思います。

散歩の中で、自然や植物、動物や建物の写真撮影など、ガラケーやスマホのカメラ機能、あるいは中古ショップのデジタルカメラで、十分素敵な写真が撮れます。

家事を趣味にすると、実家の親も喜ぶし、職業や将来持つ家庭生活にも役立ち、自分も自立した生活を送れます。

100円ショップには、効率的な家事の商品がたくさんあって、そういう研究をしているかたもいます。

意欲や記憶を問わないで物理的環境を整える

発達障害のかたの多くは、もともと片付けが苦手なので、仕事で疲労すると、ますます片付ける意欲がなくなって、若いかたでも室内がゴミ屋敷になります。

片付けが苦手で、フルタイムで働く一人暮らしの発達障害のかたであれば、初めてのお給料で買うのは、家電の三種の神器です。

洗濯乾燥機、食洗機、コードレス掃除機、電子レンジ、冷蔵庫などですね。

パナソニック 食器洗い乾燥機 SOLOTA NP-TML1-W タンク式 工事不要 コンパクトタイプ パーソナル食洗機 ホワイト

パナソニック 食器洗い洗浄機 スリムサイズ ホワイト NP-TSK1-W 4人用

ルンバ 692 ロボット掃除機 アイロボット WiFi対応

また、住まいとして選ぶアパート・マンションは、ゴミ出し倉庫が完備されていて、夜間にゴミを出しても良いアパート・マンションを探してください。

指定日にゴミを出せないことで、室内にゴミが溜まっていく発達障害のかたが多いです。

ゴミ袋を、いつでも出せる環境が大事です。

大学や専門学校を目指して、これから一人暮らしをしようとしている高校生にも、そんな環境と考え方を勧めてみました。

発達障害のかたは相手との関係性を選ばず、自分軸を選択してしまう

発達障害のかたは、自分中心の軸で考えることが得意で、相手の軸で考えることが苦手です。

自分の快感を優先して、相手との人間関係を優先することを忘れてしまいます。

例えば、洗濯物のたたみ方にこだわりを持っていると、手伝ってくれた人のたたみ方が気に入らず、「ありがとう」ではなくて、「そうじゃない。こういう風にする!」という主張になってしまいます。

ネットのイラストから

相手は、「そうなら手伝わない。自分でやれば!」と言いたい気持ちになってしまいますね。

たたみ方にこだわりがあっても、自分軸で言葉を発するのではなく、相手の軸で言葉をかけることが重要です。

相手との関係性を優先するという視点が大事です。

どんなたたみ方であっても、たたみ方が気に入らなくても、「たたんでくれて、ありがとう」と済ませ、後でこっそりやり直せば、相手との関係は良いです。

相手がどう感じるかを、子どもの頃から、大人になってもなかなか想像できないのが、発達障害のかたの自分じく優先の特徴です。

発達障害のイラスト から
発達障害のイラスト から

発達障害のあるかたは、相手の考えを受け止めず、自分の考えを主張することで、相手に不快感を与えやすい

自分軸を選択しやすい発達障害のかたは、仕事場で、自分の都合を主張する場面が増えます。

自分軸ばかり主張すると、上司や同僚から嫌われます。

例えば、「いついつまでにこの書類を出してください」と依頼されたとします。

「はい、わかりました。」と、まずは相手の依頼を仕事として引き受けるという事を思いつけず、「無理です。何々なので。」という自分軸の不都合を、その場ですぐに主張しやすく、横柄おうへいだと受け取られます。

悪気はなく、「指定の期日までにできないことはできない」と、正直なだけなのですが。

どうすればいいかと言うと、「はい、わかりました。やってみます。」と、先に相手の言葉を受け止め次に「今自分が、何々の仕事を抱えているので、できればもう1日、お時間をもらってもいいですか?」と、自分の状況も説明します。

あるいは、相手の依頼を仕事として引き受け、時間をおいてから、「始めてみたところ、これくらい時間がかかりそうなので、1日延ばしていただくことが可能ですか?」とすり合わせるコミュニケーションが必要です。

発達障害のかたは、相手の軸で考え、相手の依頼をいったん受け止めてから、おそおそる自分の都合もお願いしてみる、というようなすり合わせのコミュニケーションを苦手としています

発達障害のかたの中には、自分の気持ちを全く言えない、何と言ったらいいのか分からない、というかたもいます。

ちょっとしたことでうまくいく発達障害の人が上手に働くための本

発達障害の方が相手の要求をパワーハラスメントだと感じる理由

仕事場で、発達障害のかたの自分軸の物言いが続くと、上司や同僚もあきれることが続き、上司や同僚のコミュニケーションの取り方がぶっきらぼうになります。

傷つかないようにオブラートに包んで伝えても伝わらないので、きつい激しい物言いになります。

それをパワーハラスメントだと感じる、発達障害のかたの事例があります。

発達障害のかたが、他人の軸を想像することができないために、自分軸からしか考えられず、相手の発言や態度を無理難題やパワハラと感じる、そういう事例もあるのです。

もちろん、社会適応力のあるほうが、発達障害のかたへ合理的配慮をすべきなので、発達障害のかたへの理解と支援は欠かせません。

出典サイト:子ども情報ステーション「ひとりじゃないよ」

発達障害のかたが分かるように、自分軸と他人軸を図に描いて見せて、「仕事では自分軸よりも、相手との関係性を選択することが大切ですよ。」などと、話し合うことが必要です。

人と人とが、脳内の考えをすり合わせたい時、話し合いを目に見えるように描き出してやることが、発達障害のかたの理解を増やします。

音声だけの会話でやり取りしていると、お互いの脳の中を一致させることが難しいです。

発達障害のあるかたと話し合う時は、パワーハラスメントにならないためにも、分かり合えるコミュニケーションのためにも、他人軸と、自分軸と、関係性の3つを描いて、話し合うようにしたいですね。

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発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術の本 も参考まで。

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