教材No.12-1 数字の填め板
幾何図形填め板教材の紹介 教材No.05で、〇▢△✙━などの幾何図形の填め板の照合まで来た。
幾何図形の填め板に続いて、次は数字の填め板ができる。
ひらがなは清音だけでも46個あるが、数字は10個でいいので子どもにも処理の見通しが立ちやすい。
線分が似ていて、比較照合が難しいのが 2・3・5、6・8・9 である。
2・3・5など似ている数字は、隣同士に並べて提示する方が子どもは見やすい。
6・9など、「逆さま」に入れたときは、身振りで手で回す動作をして見せて、回転操作を教える。
自発を待ってあげた方がいい子どもと、イライラさせないですぐに教えてあげたほうがいい子どもがいる。
私は自分が教えてもらうことが好きなので、大抵子どもにもすぐに教えてしまう。
私の助けるつもりの手を、「うるさい」と言うかのように、子どもに振り払われることもある。
数字の填め板は、子供衣料品店西松屋チェーン、西松屋オンラインストアなどにある。
下の画像は、西松屋の数字填め板で、購入時はカラフルに塗られている。
数字の下には色がない。
そこで、そっくり同じにするために、下の画像のように、プリンターでカラーコピーして、ハサミで切り抜き、下絵の数字をアラビックヤマトのりで貼り付ければ、色合わせを手がかりに数字合わせが可能だ。
木片は、子どもに、順に1つずつ提示する、正答のそばに提示する、正答しやすい木片から提示する。
カラー数字填め板を数回使った後で、下の画像のように水性エナメルで黒く塗った。
私は下絵も黒く塗ったが、下絵は黒いカラー画用紙や折り紙を、あとではがせるように軽く貼る方がいいかもしれない。
下の画像は、厚さ1cm の化粧ベニヤ板を、糸鋸で切り抜いた数字填め板である。
子どもが数字木片を入れやすいように、数字の外周を大雑把な形にしている。
市販品は、木片を外しやすいように枠の厚みが薄いので、年齢が小さい子ども、あるいは、手の動きが初期的な子ども、不器用で乱暴な子どもには、1 cm の厚さのベニヤ板で作ってやるほうがいい。
ベニヤ板に厚みがあって、入れる感触を楽しむものを使うと、運動感覚が満たされて丁寧になる。
スーッと填まる感触がたまらないのだ。
自分で作ると丸1日かかるので、お急ぎの方は西松屋などをお勧めする。
2つ買って、1つを水性エナメルで黒く塗ると良いかもしれない。
填め板でできるようになったら、枠を使わずに、床や絨毯や机の上に数字順に並べると良い。
下の画像の数字填め板は、数字の枠も分割してある。
さらには数字タイルを1から10まで並べられると良い。
下の画像のような、指型どうし、数字どうしの重ね合わせなどもできる。by猫ちゃん
下の画像は、1から100までの数字タイルを並べる。
系列化や序数が好きな子だ。
ただ100まで並べるだけでなく、並べることに意味があった方がいい子には、下の画像のように、7×7の枠を作り、カレンダー並べなどもできる。
数字タイルを置く枠の大きさを縦4cm×横2.8cmにして、数字タイルの下に「きのう」「きょう」「あした」と書いた磁石やボール紙を毎日移動させると、時制の学習もできる。
この先算数の学習の時には、書く負担を取り去って、考えることだけに集中させる、下の画像のような数字タイルを使って解答表記させるやり方もある。
教材No.12-2 数字の書字
書きやすい数字は1・0、似ている形は2・3・5、上下逆さまは6・9、小学校1年生の先生の要求の様に書くのが難しいのは8・9である。
個人的には、6・9は丸に棒付けるのでもいいと思っている。
同様に、8は丸を二つ書くのでもいいと思っている。
9は、右利きの子どもが、左横に向かって書き出さなければならないことが難しい。
0を反時計回りに左方向へ書き出せる子どもには、9も左へ書き出せる。
手指の運動が楽になってから、先生の理想の描き方にしたらいいと思う。
漢字もそうだが、数字もひらがなもカタカナも、出来上がりがそれらしく見えれば、初期の段階ではそれで良いと考えている。
子どもは認知したように書くので、一度覚えた運動軌跡の変更は初期には難しい。
書けたことを一緒に喜び、機会があったら、「こういう風にも書けるよ」と、他の運動軌跡を書いて見せたらいい。
いらなくなったカレンダーの数字の下に、真似て数字を書くという練習方法もある。
1から31で終わるので、終わりの見通しを持ちやすい。
教材No.12-3 ひらがな50音の形態合わせ
ひらがなも幾何図形合わせの延長である。
ひらがなは清音が46文字あるので、下の左のような、その子の好きな動物やキャラクターで、タイル5枚×5枚=25枚の絵合わせなどの長い仕事をやっておくと良い。
数字と同様に、少ない方が良いので、初めは1行ずつやると良い。
あ行であれば、上から順に収めるように、文字タイルを枠の右へ並べてやる。
順不同にするのであれば、「あ」と「お」、「う」と「え」など、似ている文字を並べてやる。
見やすいと、子どもはよく見る。
見えづらいと、探さなくなる。
うまくいくように、できるように、親切に提示した方が良い。
大人は、枠の一番上から指差して、大人が「あ、い、う、え、お」と、子どもがタイルを入れるのに合わせて一音ずつ言ってやる。
「枠の指定した場所に、上から順に入れてください」、「上から順に探してきて、入れてください」。
ア段から探して入れるルールが成立すると、五十音を唱える音の学習と一致させやすい。
5行・10行が多すぎれば、3行ずつぐらい学習する。
10行の表に子どもがあ行から文字を収めていく時は、ベニヤ板・ボール紙・缶の蓋・ホワイトボードなどで、左の他の行を隠せば、見え方が整理されて、視界が楽になる、
教材No.12-4 50音表の枠の作り方
子どもが黒い文字にまだ魅力がないようであれば、1行ずつ、カラーにすると良い。
木製の50音表が Amazon などで販売されている。
枠の下に何もないので、購入したら開封しないうちに、プリンターで逆さまにして、カラーコピーして、文字を切り取って、文字を下枠に貼ると親切だ。
私は枠全体の表面を水性エナメルでベージュに塗って、ごちゃごちゃした絵柄を見えないようにして、文字合わせだけにした。
50音表の木製枠の作り方
必要なものは、2.5cm 角の白タイル清音用46枚、ひらがな文字のコピー2枚、ベニヤ板かダンボール縦16 cm 横32 cm、 3 mm の角材90cmを2本、アラビックヤマトのり、水性ボンド、50センチの定規、はさみ、である。
枠は指が入るくらいの少しの緩みが必要なので横2.8cm ~縦3.0cm 角くらいに開けると良い。
ベニヤ板やダンボールに、鉛筆で、2.8 cm のタイル置き場10行と、3 mm の角材用の枠線を11行、外枠を書き入れてから、ベニヤ板やダンボールは、縦16 ~18cm 、横32 cmに 切る。
2.8 cm のタイル置き場10行に、アラビックヤマトのりで文字を先に貼り付ける。
次に3 mm の角材を、水性ボンドで10行の縦棒を11本貼り付ける。
3 mm の角材ならハサミで切れる。
5 mm からになるとノコギリが必要になる。
縦棒のボンドがよく乾いてから、横棒は2.7cm にハサミで40本切って、後からボンドで貼り付ける。
枠の角材を貼り付けるときのコツは、タイルを置きながらやった方が良い。
カラー上質紙に文字をコピーすれば下の左のような50音表になる。
下の画像は、学研のボール紙の市販品の50音表である。
ひらがなの裏側はカタカナになっている。
大きさはタイルと同じ2.5cm 角だ。
文字が出来上がっているので、タイルに文字を貼る手間が省ける。
タイルの良さは重みがあって、どっしりと気持ち良いことだ。
くもんには重みのある磁石あいうえお50音表がある。
既製品のダンボールは軽い。
タイルは投げると危険もあるので、不器用で乱暴な子どもさんには既製品のダンボール紙の50音がいいかもしれない。
文字合わせができるようになったら、下に文字がないところに50音が構成できるといい。
次にア段のひらがなだけ、先生に置いてもらい、「あいうえお」から唱えられるといい。
1.目で見た行ごとの文字合わせ
2.行ごとに音を暗唱する
3.それで50音表が脳内に出来上がる
4.かるたなども50音表と同じく、位置を手がかりに並べておくと覚えやすい
教材No.12-5 書字運動
下の教材は、田研出版の迷路である。
ゴールに好きなシールを貼り、ゴールを見据えてスタートすると良い。
塗り絵やなぞり書き、迷路、点つなぎ、線つなぎなど、描画の経験もあると良い。
タカラの「せんせい」という文字の溝がある教材は、ひらがな・カタカナ・アルファベットなどの運筆の練習ができる。
溝をなぞって書くと、磁石の痕跡が残る優れものだ。
プリントでの書字は、白抜き文字書き、なぞり書き、見本を見て書く、の順に難しい。
ダイソーには球に近い、握り持ちのマジックがあった。
ピンポン玉や、発砲スチロール球に鉛筆を刺しても握りやすい。
くもんの三角鉛筆、6B ・4B ・ 2 B などが、12cmと、短く太くて子どもに使いやすい。
いずれにしても、特別支援教育は、物理的環境の工夫、道具の工夫、教材の工夫が、支援のポイントとなる。
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