教材No.28-1 指型と数字
ベビーサインというものがある。
音声の言葉をまだ話せない1歳から2歳くらいの間に、言葉に代わる身振りで、要求や気持ちを伝えるサイン言語だ。
身振りサインカード教材の紹介 教材No.08でも、身振りの効用については少し触れた。
お話もできるのだが、ちょっと恥ずかしがり屋の小さい子に、「何歳?いくつ?」と聞くと、指で「2」とチョキを出して答えてくれる。
音声が出にくい時、身振りの方が出やすい。
また、実物が手元にない時、実物を身振りの形取りで表わす。
身振りは、実物の代替手段であり、脳内イメージを脳外に表出することばである。
音声言語に切り替わるまで、身振りはたくさん使うほうが良い。
教材No.28-2 指型も序数と基数を表す
序数と基数の形成の方法 教材No.27で、1~5の階段は、序数と基数を一度に学べる素晴らしい教材であると話したように、我々の指もまた、序数と基数を同時に表す。
一番目・二番目という序数の意味にもなり、ひとつふたつと言う量の意味にもなる。
1~5の階段と同様に、指もまた、序数と基数を同時に表せる、算数学習にとって大切な教材だ。
まずは一気に、指型で量を表せることが大事だ。
一本ずつ指を立てる、プラス1方式で3を作るのでなく、一度に3を出せることが算数の初歩にとって大切になる。
一本ずつ指を立てなくても、3歳とか6歳とか、3年とか6年とか、一気に表せると良い。
人差し指からの、1・2・3でなくとも、親指からの1・2・3でも良い。
3を作るのが難しいときは、親指と小指の腹を付けるだけで、残りの3の指が立つ。
1を作るのが難しいときは、0のグーから、人差し指を1本出せばいい。
教材No.28-3 指は数字と量の中継ぎ信号
小学校1年生の先生で、「指を使ってはいけません」と、算数で指を使うことを禁止する先生は、指が数字と量の中継ぎ信号であること、指全体が10の補数で補数ことをわかっていない先生だ。
そういう先生は、中継ぎ信号なしに、「脳内で数字と量を対応させよ」と、できる子どもを要求する。
できない子どもへの、特別支援教育が分からない先生である。
脳外の指型がいらなくなって、指型を自然に卒業して初めて、3の数字と3の量が結びつく。
「さん」と言った時、3個の量が思い浮かぶのだ。
それまでは、3の指が、数字と量の、中継ぎ信号(梅津八三)である。
指をどんどん使ったらいい。
3の数字の意味、3個を思い浮かべるには、数字と量の間に、ブラックボックスがある。
そのブラックボックスを、中継ぎ信号と呼ぶ。
その中継ぎに、身振りや運動記憶を使うといいのだ。
だから3の数字を見て、3の指を思い出し、3個だと思えると、算数らしくなる。
そのブラックボックス=身振り=運動記憶を使わずに、3の数字を見たら3個の量を思えというのは、とてもハードルが高い子どももいる。
私は大人になった今でも、繰り上がりの1を筆記具でメモしないで、繰り上がりの1を左手の指で保持していることがある。
指が、脳内の記憶を助けている。
私は、割り算で商を建てるときも、隣の位に1貸したから、1減数になっている数字の代わりに左の指を使って記憶を保持していることがある。
脳内に書く代わりに、脳外に鉛筆でメモ書きする代わりに、指型が記憶を保持している。
教材No.28-4 指は10の補数
また、折り曲げている方の指は、5の補数・10の補数になっている。
例えば指型で3を作った時、折っている指が補数の2だ。
指型で9を作った時、折っている指が補数の1だ。
指型で6を作った時、折っている指が補数の4だ。
そういう具合に、構成した指型と、除外された指の数が、10の補数の関係だ。
「10の仲良し」は、指が助けになる。
大いに使おう。
インターネットの ”算願” には以下のような様々な無料プリントがある。
家庭の保護者のダウンロードは無料なので、使って欲しい。
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