子どものかんしゃくを理解して対応する方法

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育てるのに難しい子どもがいます。

「ディフィカルト チャイルド」と呼ぶこともあります。

difficult child、文字通り、とても気難しい子どもです。

お母さんは疲れ果てて、鬱になることもあります。

乳幼児期に、以下のようなことが目立つ子どもさんです。

まったく寝ない。

抱っこでないと眠らない。

車でドライブしないと眠らない。

夜中でも布団で寝かせられない。

ヒステリックに泣き叫び、泣き出したら止まらない。

1日中ほとんど泣いている。

抱っこや身体に触れられることが不快で、嫌がって大暴れする。

離乳食を食べず、何か月たっても進まない。

食べ物の好き嫌いが極端に激しい。

食べている最中も激しく動き回り、少しも落ち着いていない。

何度言っても言うことを聞かない。

物や自分のやり方に強くこだわる。

すぐカッとなり、暴れると手がつけられない。

自由気ままに動き回り、いつの間にかそばからいなくなる。

ほかの子どもを避けたり乱暴したりする。

他者とうまくかかわれない。

人見知りがない。

人との距離が分からない。

人への許可なく他人の物に手を出す。

好きなことしかしない。

などです。

育児の分からなさ、つらさ、苦しさから、お母さんが虐待行動をしてしまうこともあります。

3歳児健診や就学時健診では目立たず、お母さんは周囲の理解を得られない場合もあります。

育てるのに難しい子どもであると理解しよう

一般的な育児や、お母さんの常識が通用しない、気難しい子どもさんです。

まずは、一般的な育児やお母さんの常識を捨てましょう。

この子がどう感じ、どう考えているか、を第一に優先して理解します。

自閉スペクトラム症の特性がいくつもある、ADHD の特性がいくつもあるのであれば、そのように理解して接すると育児がうまく行きます。

自閉スペクトラム症や ADHD の子どもさんの理解と育児に合う情報が、世の中にはたくさんあるからです。

利用してみない手はありません。

ディフィカルトチャイルドは不全感がつのって爆発する、と予想しておく

この子はこう出来ない、ああ出来ない、という一般の子どもとの比較や、一般常識をまずは捨てます。

いつも、子どもの気持ちの側で言葉をかけるようにします。

例えば、算数の宿題プリントに取り掛かったのだが、片面には40問あって、子どもがワーッとやる気をなくします。

そういう時は、以下のように励まします。

「反対側は20問だね。少ない方からやろう。」

「プリントを折って、10問ずつ見えるようにしてやろう。」

大人が分量を減らして励ましても、全部やらねばならないと思う子どもの理想と、やるのが億劫という気持ちの間で、子どもはイライラします。

ディフィカルトチャイルドは、この不全感が、どこかで爆発します。

算数が苦手な場合には、爆発は一層起きやすくなります。

ある子どもさんが、プリントにこう書き始めました。

10+8=2

10+6=4

この子どもさんは、+と−の記号の意味を理解していませんでした。

ディフィカルトチャイルドには「違う」と言わないようにします。

否定されると爆発するからです。

そこで私が、同じ数字を使って、異なる記号を、同時に並べて書いてみました。

10+8=

10-8=

「足し算は『全部で』増えるよ。引き算は『取っちゃう』から減るよ」

間違いの部分を、こちらが消しゴムで消してやりました。

すると、素直に、+−記号に合わせて計算し、自分で書き直しました。

しかしこの辺りから、不全感つのっていくのがわかります。

算数が難しい、+-記号の意味がわからない、指を使っても正答できない、さくらんぼ計算の意味が分からない、10の補数が分からない、などの渋滞がありました。

算数の理解が難しいために、次第に、いろいろな不適応行動が現れます。

不全感つのって、崩壊的に振る舞い始めます。

私が解答を手伝おうとすると、「ママがいい」と言い始める。

答えが「9」とお母さんに教えてもらった記入欄に、「99」と書き、お母さんが消しゴムで消すとまた「99」と書いて、その行動を笑いながら5回繰り返す。

ついには、借りたいテープが手に入らない、というような小さなきっかけから、寝そべって泣き出す爆発が始まります。

物理的に対応するのが一番いいので、こういう時は「テープを買いに行こう」と声をかけます。

しかし、いったん崩壊の方向へ、グズグズが始まると、15分は泣き止まないのが、ディフィカルトチャイルドさんです。

15分を覚悟します。

グズグズ言い出したら、「疲れたんだね」「休みたいんだね」と、疲労やだるさに声をかけます。

寝転がったら「休んでいいよ」「伸びをしていいよ」「ママも横になろうっと」と、同じことをしてみます。

お母さんがつらい時は、「トイレに行ってくる」「洗濯物を入れてくる」「夕ご飯を作ってくる」と、お母さんの用事でその場所を離れてみましょう。

その場でお母さんが待っていると、泣き止むのに時間がかかります。

どんな声をかけても落ち着くまでに15分はかかると思いますが、「帰ろう」「車で出かけよう」「おやつを食べよう」など、切り替えも予告してみましょう。

その時、音声の言葉だけでなく、実物の車のキーを持たせたり、お母さんが支度を済ませて「玄関で待っているよ」と、先に移動して待つなどが有効です。

子どもが爆発するまでの不全感と、爆発のきっかけを読み取って、子どもの気持ちを理解する

爆発するまでの不全感と、爆発のきっかけを読み取ることができれば、子どもを肯定的に理解しやすくなります。

かんしゃくの理由が分からない、かんしゃくのきっかけが分からない、子どもの行動の意味が分からないと、困った子だと否定的になります。

周りが見えていない、人との関係を読み取れていない、前後関係を推論しにくい、そういう特性のために、環境に対して不全感を持ちやすい子どもさんなのです。

他の子が簡単にできることが、この子はこだわりのために難しく、先生の言う意味が分からず、自分の考えの実現に困ってかんしゃくになるのだと理解すれば、かんしゃくのとらえ方が楽になります。

発達障害があり、学校適応がつらく、算数が分からず、こだわりが強い子どもさんは、不全態になりやすく、かんしゃくが起きやすい。

難しいんだね、分からないんだね、困ってるんだね、という理解です。

「難しいね」「困ったね」「どうしたらいいかなぁ」「一緒に考えるね」「手伝うね」という構えがいいです。

家族や先生に理解してもらえると、本人もお母さんも少し楽になり、かんしゃくも軽減することが予想されます。

支援・指導のむずかしい子を支える魔法の言葉

子どものかんしゃくの意味理解と環境調整がとても大事ですが、かんしゃく軽減のきっかけになる薬を服用することもできます。

小児科の医師に相談してみましょう。

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