子どもの認知の仕組みに共感するとトラブルの意味がわかる

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L君は4歳になった。

保育園の年中組さんである。

担任の先生は、 L 君がどうしようとしているかを考えてくれる、理解ある先生だ。

L 君の考え方の特異性と、仲間の常識との間を、取り持って調整しようとしてくれる。

病院小児科の療育に、数ヶ月に一度、保育園の担任の先生も同行してきてくれる。

給食で汚れても T シャツを着替えたがらない、他のお友達の Tシャツや帽子を自分のものだと言い張るなど、L 君の行動について、困ることがあると、質問してくれる。

こぼしたこと・汚したことを認めたくない L 君の気持ち、着替えるのが面倒な L 君の気持ちがある。

「新しい T シャツを見せて、手伝ってさっさと着替えさせてほしい。」と頼むと、そうしてくれる。

他の園児にアトピーの子がいるので、食べ物のついたTシャツを着ている L 君の接近がその子の迷惑になる。

アトピーのお子さんを守ることを優先したいから、 L 君に「着替えなさい」と言わず、「頼むね。着替えよう」と手伝ってやれば良い。

そういう、行動の優先順位を分かってくれる、L君の気持ちの側にも立てる保育園の担任の先生だ。

何で、友達の T シャツを自分のT シャツだと言い張るのか、この時は私にもまだわからなかった。

L 君の認知の特異性

子どものT シャツや帽子は、大抵、大きさや形が似ている。

L君は、お昼寝から起きて、パジャマから T シャツに着替える時、友達のT シャツを自分のT シャツだと言い張ることがあると言う。

個人の名前が書いてあり、名前がL君のものとは違うということが分かっても、 T シャツが「友達のと自分のと似ている・同じだ」ということを言いたいのかもしれなかった。

そう考えた理由は、私との療育の場面で L 君が3回、以下のように言うからだった。

「おやつ」の絵本を、お母さんと L 君に読んでもらう。

おやつの写真とおやつの名前が登場し、お母さんが読むと L 君もそれを復唱する。

お母さんはそうやって、たくさん本を読んで、L君に言葉を教えてきたらしい。

「ゼリー・プリン」とは言わずに「色が違う」とい

ゼリーとプリンのページで、お母さんは「ゼリー」「プリン」と読むのだが、  L 君はそのページに来ると、毎回決まって「ゼリー・プリン」とは言わずに「色が違う」という。

確かに、赤と黄色の色が違うだけで、ゼリーとプリンの形はとてもよく似ている。

 L 君の認知は、そういう認識だ。

ゼリー・プリンと言う、意味の名前を取らないで、物の形態に着目している

そうだとすれば、友達の T シャツや帽子を、自分のものだと言い張るL君の気持ちがわかる。

個人の名前は違っているけれど、「 T シャツとして同じだ」と言いたいのかもしれない。

「そうだね、L君のと友達のと T シャツで同じだね。そうだね、L君のと友達のと帽子の形は同じだね」と言ってやると、L君の発見に共感できるのかもしれない。

次回、お母さんと保育園の先生に、「同じ T シャツ・同じ帽子」だね、色だけ違う、人の名前だけ違う、そこに共感してほしいと、そう説明したいと思う。

保育園のような、たくさんの雑多な情報がある場面では、こういう理解はなかなか難しい。

これは、個別の整理された場面で、理解できたL君の認知とことばだ。

子ども理解に、個別の療育場面が大切な理由である。

音声の言葉の説明より一目瞭然の絵が分かりやすい

しつけに関するソーシャルスキル填め板を、L君との療育で、2021年1月から継続している。

そのソーシャルスキル絵カードの好影響で、病院の廊下の角に貼ってある、「出会い頭に注意」のプレートに、 L 君が4月から着目するようになった。

その廊下の角を通るたび、必ず、出会い頭に注意のプレートに触って、「ぶつかっちゃう」と言う。

「そうだね。走るとぶつかっちゃうね。歩こう。」と共感しておく。

環境に注意を払い出した、 L 君の成長を感じる。

今後も、 L 君にわかりやすい、絵による常識を伝えて行きたい。

お母さんに、「えこみゅ」をダウンロードしてもらった。

えこみゅ – LITALICOアプリ

絵という脳外イメージを見ながら、「あーだね、こうだね」とお父さん・お母さん・お姉さんと、ソーシャルスキルの会話が増えるといいと思う。

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