低学年の算数文章題を解けるには、国語の音読もスラスラ読める力が必要です。
算数文章題をスラスラ読めないとき、絵・身振りが、理解を助けます。
「おりがみが」と読める子どもは、「おりがみ」の意味がわかり、折り紙をイメージできます。
折り紙をイメージできると、文章題の最後で「何枚ですか」と聞かれて、「〇〇まい」と解答できます。
「お・り・が・み・が」とたどたどしく読んでいる子どもは、折り紙をイメージできません。
「何枚ですか」と聞かれても、折り紙をイメージしていないので、「〇〇人」と書いたり、「〇〇こ」と書いたりします。
足し算の計算そのものに注意がいって、聞かれている単位まで、頭に入って来ません。
算数文章題が難しいのは、折り紙というイメージを持てない、折り紙を数える身振りをできないからです。
絵があると分かりやすい くもんのドリル算数文章題の例
下の画像で紹介しているのは、くもんのドリル算数文章題です。
左側は絵があって、わかりやすいプリントです。
右側は文章だけで、「分からない」 と思わずプリントをぐちゃぐちゃにして拒否したくなるようなプリントです。
右のプリントも、きのこ、たまご、折り紙、みかん、すずめの「絵」があるとイメージしやすいですね。
右の画像のように文章だけの問題の時は、先生が黒板に、きのこ🍄、たまご🥚、折り紙🔲、みかん🍊の略画を描き、子どもたちのプリントに真似して描くように、先生から提案してみてください。
すずめ🐤は、絵が難しいので、先生が両手を羽に見立てて、羽を動かす「身振り」をして見せます。
プリントの問題数の見かけで、「わー、駄目だあ」と思って取り掛かりにくい子どもには、プリントを1/2、1/4に折ったり切ったりして、少ない問題数で出すことが大事です。
文章中の物の名前の身振り
低学年だと、絵をうまく描けない子どももいるので、音を出さない身振りをするように、先生が普段から提案します。
算数文章題の最初で、「りんごが」「みかんが」と出てきたら、両手で丸型を作らせます。
「色紙が」「本が」と出てきたら、人差し指で四角をかたどる軌跡を胸の前で空中に描かせます。
きのこ、たまご、折り紙、みかんを両手でかたどったり、すずめの身振りをしたりします。
文章中の数字の計算の身振り
「5と3で」と先生が言ったら、片手で5、片手で3を作り、両手を合わせて8を作らせます 。
「5から3取ると」と言ったら、片手で5、片手で3本を隠させます。
5以下の加減算の時に、徹底的にそれを繰り返します。
触覚系の運動によって、合算減算+−のイメージを刷り込むのです。
文章題で見かける言葉の身振り
先生が+−の記号を意味する言葉を言ったら、子どもたちが身振りで反応する、ジェスチャーゲームをすると楽しいです。
「足すと、増えると、もらうと、合わせて、みんなで、全部で」などの足し算は、両手をバチンと合わせる身振りをします。
「引くと、減ると、あげると、食べると、なくなると、使うと、帰ると、残りは」などの引き算は、両手を揃えて空中で一方向に引っ張る-記号身振りなどです。
発達心理学の視点を入れた算数文章題の解き方
子どもの発達の順序は、実物を触れる触覚系➡目で見てパッとわかる視覚系➡言葉を聞いてイメージを持つ聴覚系です。
子どもにわかりやすい順序は、実物➡模型➡実物をかたどった身振り➡実物を指差して照らし合わせを助ける身振り➡写真➡絵➡マーク➡図➡文字➡音声です。
例えば、配られたプリントに名前を書けない子どもさんには、名前を書いてある別のプリントの、名前の欄を見せて、無言で指差して、本人に照合させ、気づかせるといいです。
文字言語・音声言語は、難度の高い情報です。
わかりやすい情報は、脳外に見える「絵や身振り」です。
脳外の「絵や身振り」が省略され、脳内イメージに変換される時、言葉を読んで聞いてイメージを持つことができるようになります。
発達の異なる子どもが、歴年齢で区切られて、ひとつの教室で30人で勉強しています。
算数文章題の「文字の文章だけ」という状況は、最高級の難度になります。
脳外の「絵や身振り」が必要な子どもたちのために、触覚系・運動系を満たす 「身振り」を、是非、学習のあちこちに取り入れてください。
集団の学習場面はもちろんのこと、個別の学習や、家庭の宿題でも、「絵や身振りでイメージすること」を文章題理解に役立ててください。
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