保育園の年中児、4歳の L 君は、お母さんと、病院小児科の療育に、隔週でやってくる。
お母さんの願いに添って、小学校入学を目指して、着席時間を増やす係わりを心がけている。
活動の見通しの提示と、教材の変更が必要だと、考えた。
分かると、楽しいと、長く坐っている。
写真カードによる見通し
L君にとって課題が難しいと、机から離れ、椅子から降りて、室内を探索したり、扇風機を思い通りに動かしたりする。
L君が着席して、課題に取り組むためには、L君自身が療育の見通しを持つことが大事だ。
そこで、L君が好んで扱える課題の写真を、ボール紙も挟んで厚く硬くしてラミネートし、穴を開け、リングで束にした。
私の脳内にある予定を、写真カードで脳外に呈示して、L君と予定を共有したいと考えた。
写真カードは「椅子に座る」・「アンパンマンソフトパズル・果物ソフトパズル・魚ソフトパズル・恐竜ソフトパズル」・「恐竜合成パズル」・「1から5の団子差し」・「絵本をお母さんに読んでもらう」・「売店のお菓子」・「車で帰る」などだ。
小児科の待合室で、写真カードの束を、L君に見せた。
「アンパンマンをやろう」と言って、写真カードの束をL君に持たせると、移動した。
写真カードで見通しが持てると30分坐っていた
椅子の写真カードを見せて、「椅子に座ろう」と声をかけ、座ってもらった。
L君は、椅子に座って、写真カードの束を一通り見た。
L君自身が写っているし、自分の好きな教材の写真カードだからか、しっかりとした視線で、一生懸命見ていた。
写真カードに書いてある文字を、私が読んだ。
「椅子に座って、パズルをやって、最後に売店へ行こう」と、「椅子・パズル・売店」の写真カードを見せ、予定を伝えた。
ソフトパズルの2~3分割と合成はL君にぴったりの課題だった
アンパンマンのソフトパズルをL君が扱っている写真カードを見せて、「半分にしてきたよ」と言い、アンパンマンのキャラクターたちを分割したパズル片を、机に並べた。
L君も「半分になっちゃった」と言いながら、3種類のアンパンマン分割ソフトパズルの合成を喜んでやってくれた。
分割ソフトパズルは、一発で入るパズルと違って、やさしすぎない。
また、木製の恐竜8ピース合成パズルほど、難しすぎない。
ソフトパズルの2~3分割の合成という課題の難しさが、ちょうど今のL君にあっていた。
前回は、一発で入るソフトパズルが易しすぎたり、8ピース合成パズルが難しすぎたりして、L君は、5分くらいで椅子から降りてしまった。
しかし、きょうは、30分座り続けて、課題に取り組んだ。
前回は、言葉もほとんどなく、L君は喋らなかった。
今回は、「魚やる」「魚がいい」「果物やる」「恐竜やる」「団子やる」「半分こ」「魚持っていく」などの言葉も、たくさんあった。
L君が、要求や自分の気持ちを言えると、私も嬉しい。
L君にとって、①予定が分かり見通しが立つ写真カードと、➁L君の力にぴったり合っている教材、の2点が良かった。
「見通しと教材」、それにより、L君は30分以上続けて課題に取り組んだ。
写真カードから、自分ができそうな恐竜の8ピース合成パズルを、自分で選んだ。
そして、合成できた。
お母さんに本を読んでもらう姿勢も、きょうの活動が充実していたためか、前回よりも背筋を伸ばした良い姿勢になった。
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