不登校の子どもたちは、30万人います。
8050問題の社会的引きこもりの方たちは、60万人います。
その方たちが生き生きと暮らす方法はないものか、ご本人やご家族のみなさんは、日々悩んでいることと思います。
家庭で、生き生きと行動できる家事手伝いで、自分に自信を持ち、エネルギーを増やすのはどうでしょうか。
アイキャッチ画像出典は、2020-02-発達支援サイトイラスト-001-blog.benesse.ne.jpから
エネルギーのない状態を理解する「現勢の保障」
学校に行くのが楽しい、会社に行くのが楽しい方には、不登校や引きこもりの心理は、分かりにくい状況だと思います。
分からない時に、自分が楽な方法を提案するということが起きがちですね。
外の世界に適応できている自分と同じに、子どもさんに向かって「学校に適応しなさい」ということです。
最初にボタンを掛け違うのが、ここです。
初日から2~3日はとりあえず、現勢を保障します。
「疲れちゃったんだね。いっぱいいっぱいになっちゃったんだね。急いで帰ってくるから、つらかったこと、我慢していたことを教えてね」
つらかったこと、我慢していたことを、車の中でつぶやいてもらったり、食器洗いを一緒にしてもらいながら話してもらえたら、理由やきっかけが分かって、家族も一安心です。
本人にも、理由がはっきりとわからない場合もあります。
そういう時は、根掘り葉掘り聞いても答えられないので、一緒に行動することを増やします。
家族は不登校や学校について触れないで別の充電に「同行する」
初日から2~3日、朝起きられない時は、まずは身体的な低血圧を心配し、病院で起立性調節障害の起立試験を受けてみましょう。
もちろん、不登校が長引いていて、起立性調節障害ということを初めて聞いた方は、今からでも充分間に合います。
食事・運動・入浴・睡眠などの生活習慣の立て直しや、ミドドリン(昇圧剤)という薬物療法で、改善が見込めます。
鉄分が不足すると、意欲が低下するということも言われています。
身体的な問題が除外されれば、次に心理的な疲労を癒すことが必要ですね。
不登校は、学校という外の世界に合わせることに疲れた状態と考えられるので、家庭という内側の世界でエネルギーをためることが必要です。
例えば、次のような家事手伝いを頼むのは、どうでしょうか。
「充電しなくちゃね。家で出来る事を探そうね。」
「とりあえず、午前中、食器洗いと、午後3時に洗濯物を入れて畳んでおくのを頼めるかな?お母さん、助かっちゃう」と笑顔で出かけましょう。
もちろん、会社を休めるようであれば、会社に電話を入れて、子どもの不登校の初日に休みます。
不登校が長引いている場合も、明日から始めるので構いません。
「なかなかやる気にならない片付けを、休みを取ってお母さんもしたかったんだぁ」と、
家庭で一緒に片付けや家事をして過ごせば、「家族は僕を心配して側にいてくれる」ということが物理的に伝わります。
「仕事より僕が大事だ」ということが伝わります。
どんなに保護者に愛情があっても、子どもに伝わりやすい愛情でなければ、誤解や溝になりますね。
子どもに一大事が起きた時に、親の生活が何も変わらないというのは、ちょっと心配です。
登校のプッシュは先生の「提案」で
子どもさんは、1週間の疲労で金曜日に登校できなくなったり、あるいは土日に家庭でゆったりと過ごせるので、月曜日は気が重くて登校へ踏み出せなくなる例が多いかと思います。
子どもの個性や親子関係にもよりますが、「きょうはゆったりと休んでね。明日は校門まで(車で)送って行くよ」と予告してもいいかもしれません。
保護者の方は、初日にすぐ会社で、翌日の年休や時間給をもらってください。
適応して暮らしている保護者が、まずは「子どもに合わせる」ということが初期対応のポイントです。
保護者は子どもに合わせて寄り添って、「学校においでよ。待ってるよ」というのは先生にしてもらいましょう。
小学生ならば放課後4時半頃ごろ、中学生ならば部活終了後の6時ごろならば、先生に会いに登校しやすいかもしれまん。
週末の金曜日に、その週のプリントを夕方親子でもらいに行くのも良いでしょう。
中学生ならば、土日に部活動も行なっているので、土日の午後、先生と都合があえば、会いに行って話してくるのも良さそうです。
先生に、差し入れのおにぎりを午前中に親子で作って、土日の部活のお昼に持っていけば、先生は感激します。
先生は電話をくれて登校を誘ってくれたり、ことによったらプリントを届けに立ち寄って、行事への参加を誘ってくれたりします。
登校するかどうか?ということの以前に、先生とコミュニケーションを取って、仲の良い人間関係を増やしておこうという意識が良さそうです。
もちろん、仲の良い友だちがいれば、日曜日の午後来てもらって、本人と友だちと家族と一緒にアナログゲームをすることなども、コミュニケーションづくりのために良いでしょう。
子どもだけの密室のオンラインゲームを避けて、家族もアナログゲームでオープンに会話しながら、今時の子どもたちの話題を知りましょう。
子どもが出来ていることに声をかける「確定」
一緒にやった家事が済んだら、「食器洗いありがとう」「洗濯物たたみ、ありがとう」と、感謝を伝えてください。
「ありがとう」をたくさん伝えると、子どもは、「僕でいいんだ」「私はこの家にいていいんだ」という気持ちになります。
エネルギーが落ちている時は、自己肯定感が必要です。
毎日、小さな感謝をたくさん伝えたら、
「食器洗い手伝って、お風呂掃除手伝って、明日ゴミ出しだからゴミ集めしてきて」と、スポンジやゴミ袋を手渡して、親子で一緒に家事をしたり、学校に行かない留守番の時間にも頼んだりしてみてください。
口だけで頼むのなく、物を手渡す事が、参加行動を起きやすくします。
「ありがとう」の次は、「お母さん嬉しかった」と気持ちを言葉にして伝えます。
感謝や喜びを伝えていると、家族に役立っている自分の存在に自信が持てて、親の依頼に応えてくれることが起きやすくなります。
食器洗い・洗濯・鏡磨き・ガラス磨き・風呂掃除・洗面台掃除・トイレ掃除・部屋の掃除機かけなど、色々な家事を頼むことができます。
家事手伝いのエキスパートになってもらいましょう。
家事を楽にする商品を調べてもらったり、一緒に100円ショップの掃除コーナーに出かけたりしてもいいですね。
家事は20歳から90歳まで70年間にわたって、将来の自立した生活にも、職業にもつながるし、家庭を持った時の主夫やイクメンにもつながります。
8050問題の、社会的ひきこもりを防ぐことができます。
家事の推薦は、小中高校生の学校教育から少し離れる気がして、保護者は今が心配になるかもしれません。
しかし、家事という遠回り=回り道行動で、自分に対して自己有能感が持てれば、エネルギーがたまることになります。
エネルギーの回復、レジリエンスが必要です。
きょうから、継続してみましょう。
脳内でアレコレ心配しているだけでなく、子どもの起きやすい行動を引き起こすという、保護者の実行機能が大事ですね。
登校という子どもに起きにくい行動でなく、親子で共有できる家事手伝いという起きやすい行動をオススメします。
親子の関係の中で、起きやすい行動が生き生きと次々に起きる時、エネルギーが充電され、起きにくかった行動にもつながっていきます。
自信がたまると夕方学校へ担任の先生に会いに行く「踏み出し」も起きる
不登校から登校へ踏み出すには、家事手伝いで自信を持ち、家族に役立つ自己有能感を形成しましょう。
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