子どもたちに、特別に会話の仕方を教えなくても、家族や仲間のやりかたを見て、会話をまねていく子どもたちが多いですね。
なんて会話を始めたらよいか、会話の初めが苦手な子どもさんに出会って、今回は会話について考えてみました。
子どもの発達は、触覚➡視覚➡聴覚です。
幼児が家族や仲間を呼ぶ時、手で直接相手を引っ張って呼ぶのは、触覚系が起きやすい行動で、言葉が未発達だからです。
言葉が発達してくると、直接相手に触らなくても、相手の目を見て、離れて話すことができるようになります。
ポイントは5つあります。
1.直接相手の身体に触らないように、場面を見せて伝える
2.相手の目を見るように伝える
3.相手の目を見ると距離を保って話せる
4.定型の言葉を教える
5.触覚は他の遊びで十分に満たす
あなたは○○歳だから、触らないで、目を見て話せます
年齢が小さい子ども、言葉を話せない子ども、3歳ぐらいまでの子どもは、言葉での呼びかけの代わりに、手で相手を触って呼ぶことがあります。
数字に興味があって、年齢を意識できるようなら、以下の年齢行動認知表のような年齢を使って、触らないで話すことを、話し合ってみましょう。
年齢 | 行動 |
0~3歳 | 小さい子は、呼びかけるとき、触ることがある。 |
3~6歳 | 目を見て挨拶する。名前を呼んで話しかける。 |
7~12歳 | 言葉で挨拶する。身体や手に触らないで、目を見て言葉で話しかける。 |
13歳~大人 | 1メートル離れて話す。言葉で話す。相手の都合を待って話す。 |
下の画像のような赤ちゃんの手を見せたり、数字で本人の年齢を見せたりして、「触らないで、名前を呼べるね」などと話し合いましょう。
保育園や学校の先生にも、その都度、「先生の目を見て話しかけてくれると、腕を触らなくてもお話を聞くよ」と本人に言ってもらいましょう。
正面に回って、目を見て話しかけると、相手に触らなくても話せます
家庭でも保育園でも、人と人との距離が近いので、相手に触って呼ぶことがあります。
相手を引っ張る時は、相手が横を向いていたり、相手が他の事をしていたり、どうしてもすぐに自分の方へ向かせたい時に、引っ張るように思います。
しかし、相手が引っ張られることを嫌がるようであれば、触らないで話す必要があります。
小学生になると、学年が進むにつれて、手で触らないで、言葉で呼びかけます。
触らないで話すには、正面に回って、目を見て話しかけます。
正面に回る、目を見て話す、その2つをその都度、大人がアドバイスし、経験させます。
まずは、親や大人に対して、正面に回る、目を見て話す、ができるといいですね。
小学校の高学年や、中学生・高校生あるいは大人になれば、「○○さん、話してもいいですか?」「○○先生、少し話を聞いてください」「○○さん、少しお時間をいただいて、ご相談があります」などの、呼びかけの言葉が必要になります。
これは、なめらかな会話の初めに、とても大切なことです。
目を見て話すと、相手との距離を保てる
相手が自分を見てくれると、手をつかまなくても、話しやすくなります。
自分から、相手の視線に合わせる経験を積みましょう。
2年間のコロナの経験で、離れて話すということも、色々な場面で言われています。
定型の言葉を身につけよう
家族や先生、大人への呼びかけを、言葉の会話で練習してみましょう。
親しい友だちとの間でも、呼びかけの言葉をチャレンジしてみましょう。
シンプルな言い方を1つだけ、まずは身につけるといいですね。
「聞いて聞いて」という呼びかけで、こちらを向いてもらえると分かったら、「ねえねえ」「見て見て」「あのね」「話してもいい?」「聞いてください」なども増やしていくと良さそうです。
触るという触覚の呼びかけを禁ずるなら、他の遊びで触覚を満たします
手で直接相手を引っ張って呼ぶ子どもさんは、触覚系が起きやすい行動なので、そうします。
「手を引っ張らないで言葉で呼んでください」とお願いするので、失った触覚は他の運動で十分満たすと良さそうです。
ブロック・レゴ・パズル・粘土・折り紙・工作・お料理・お手伝いなど、触覚を使う遊びを楽しく共有してください。
ゲームであれば、一人でゲームをさせておくのでなく、せめてそのゲームのそばで、「好きなんだね」「楽しいんだね」「どこが気に入っているの?」「どのステージのクリアが難しいのかな?」など、見守りと共感の言葉を示してください。
大人がそのゲームの一場面をイラストに描いてあげると、後で一緒に塗り絵などができて、喜ぶと思います。
イラストのうまい下手は、関係ありません。
見守りと共感、共有を子どもは喜びます。
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