教育仮設No.7-1 仮想ゲームの 発達へのマイナス影響
24歳のまさや君とiPadを共有して、まさや君の気持ちの表出に使い、私も楽しかった。
まさや君にも笑顔があふれ、iPadで気持ちを表現することの楽しさが、その場で伝わってきた。
対面で相互にやり取りする、コミュニケーション手段としてのiPadは、最高だ。
パソコンや iPad等のゲームは、視覚的な運動感覚と手指の操作の、協応運動感覚を楽しむものには違いない。
仮想系のゲームは、私が子ども達と何十年もやってきた、実物を使った玉入れや棒さし・数の階段作りや空間の整理のためのタイル教材、などの「運動感覚操作の進化系」だとは思う。
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パソコンや iPad、スマホ等のゲームが悪いとは思わないが、子どもが長時間一人だけで使っていると、そこには他者の顔の表情を読んだり、他者と目を合わせて共感を示したり、相手の都合に合わせたりするということはない。
自己刺激回路だ。
子どもの発達を考える時、他者の顔の表情を読んだり、目を合わせて共感を示したり、自分を抑えて相手に合わせたりしながら、実物を使う、運動感覚を満たす遊びのやり取りは、現代でも子どもたちの発達に欠かせない気がしている。
教育仮設No.7-2 乳幼児とボールをやり取りする意味
乳幼児が家族とボール転がしを実際にやり取りする、ボールが行ってしまった方を指さして家族を振り返って出来事を伝える、 他者に開かれた開放系のコミュニケーション回路で、実物を触りながら、家族の表情を読んで、自分の要求も伝える、そういう実物を使った遊びの時間が、子どもの発達には大切だと思うのだ。
乳幼児でもスマホを操作して、スマホの動画に夢中になり、スマホと自分だけの自己刺激回路で過ごしている姿を、小児科の待合室でも度々見かける。
ゲームやスマホが悪いとは思わないが、子どもにゲームやスマホを預けておくだけだと、 大人が子どもの相手をしなくなると思う。
大人も簡単に、低きに流れる。
外で社会的に経済的に疲労する大人は、家庭に帰ると、面倒で起きにくい行動を避けて楽な方を選ぶ。
自分の時間を割いて、子どもとボール転がしをするよりも、子どもにゲーム機やスマホを預けておいて、夕飯を作ったり、自分もスマホをしてリラックスしたりする。
ゲームやスマホを子どもにさせても良いが、子育ての期間は、せめて大人も同じ画面を並んで一緒に眺めたい。
そしてそこで、「何々だね」と共感を示す言葉をかけたい。
教育仮設No.7-3 早期からゲーム依存を予防する実物を使った遊び
ゲームやスマホの自己刺激回路でも、そこに家族との共感と共有があれば、実物を使ったゲームに誘った時に、自己刺激回路から出てきてくれると思う。
10歳くらいになった子どもや、中学生の子どもの相談で「うちの子がゲーム中毒で、学校にも行かなくなって困っている」という相談を小児科で受けることがある。
発達障害の子どもの脳は電子脳とも言われ、相手の気持ちを汲み取ることなどが苦手なので、自己刺激回路のゲームやスマホにのめり込みやすい。
学校での対人関係が構築できなかったり、空気が読めなかったり、いじめられたり、暦年齢相応の学力が低かったりすれば、学校に行きたくなくなり、昼夜逆転し、一層ゲームやスマホにのめり込む。
それらは、結果として起きるので、起きた時には手遅れだ。
乳幼児期のころから、自己刺激回路だけにとどめておかないで、家族が実物を使った遊びやゲームを共有しておくことが必要だ。
保育園で行なってくれるような遊びを、家庭でも土日にはやれると良い。
放課後学童でも、そういう遊びをやってくれる。
家庭で何を一緒にするかという時、このブログでも投稿したような、運動感覚を満たすおもちゃや教材が、大切になる。
教育仮設No.7-4 家電で家事を楽にし時間を子どもとの遊びに使おう
戸外で家族と一緒にできそうなのは、散歩、公園での外遊び、シャボン玉、山や川での自然の遊び、自転車乗り、風船バレーボール、キャッチボール、バドミントン、ポケモン GO、ピクミン ブルーム、などがある。
室内では、家族と一緒に遊ぶおもちゃ、折り紙、お絵描き、パズル、工作、かるたやトランプなどのカードゲーム、将棋・五目並べ・オセロ・ジェンカ、お米研ぎや調理・お風呂洗い・洗濯物たたみなどの家事を一緒にする、そういう実物を使った、家族との開放系のやり取りの共有が可能だ。
脳科学の実験でも、親しい人とする対面のトランプで、子どもの脳の血流量が増加することが知られている。
ゲーム依存が起きてから、不登校が起きてから、触法行為が起きてからでは、遅い。
ゲーム依存を叱ってばかりの口出しよりも、ゲーム購入時から自分の時間を割いて、ゲームを一緒に見守って、大人が共感を示すことが大事だ。
子どもの前で夫婦喧嘩を見せないのと同様に、子どもが寝るまでは、子育ての早期から、大人もスマホの使用を控える方が良い。
子どもが寝たら、やればよい。
家族の目線が、子どもの見守りでなく、パソコンやスマホに向いているのは、子どもの発達にとって好ましくない。
パソコンやスマホでのゲームは、縮小された仮想世界、しかも自己刺激回路で、自己実現の一方的な方向であることが多い。
それに比べて、実物を使ったおもちゃや、相手の要る遊びは、開放系で、他者の表情や他者の心を読み取る、相互調整であることが多い。
デジタルは時間と空間を節約し、便利で機能的ではあるが、実物を使ったスローライフの良さは、子育てには必要な仕組みなのだ。
そういう目線で100円ショップに行くと、家族で遊べる、運動感覚を満たすおもちゃや、実物のカードゲーム、マイクロパズルなどが沢山ある。
介護の投稿にも書いたが、全自動食器洗い機・全自動洗濯乾燥機・お掃除ロボなどの介護の三種の神器は、育児の三種の神器でもある。
その詳細は、以下の投稿「介護を楽にする三種の神器とは?」を参照されたい。
進化したデジタル家電を便利に使って、子どもとの運動感覚を満たす遊びの時間を増やしたいものだ。
ディノス テーブルテニスセット アンブラ・ポンゴを購入できなくても、木の廊下があるお宅であれば、ダイソーのラケット2つで、床卓球もできる。
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