子どもたちは、2桁までの数字は、生活の中で使っています。
例えば、カレンダーは、「12」月まで、「31」日まであります。
保育園や小学校の1クラスの人数は、「20」人だったり、「35」人だったりします。
これらは、生活算数ですね。
世の中がバーコードや QR コードで便利になったために、子どもたちが現金でお買い物をする生活が、昭和の時代よりも少なくなりました。
中には、自動販売機でジュースを買う時、100円玉を使える子どもさんもいると思いますが、コンビニでもスーパーのレジでも、大人がキャッシュレス決済をしてしまう場面が増えて、子どもの生活算数の体験は減ってきました。
今回は、子どもの生活算数を、3桁にするには、どんな方法があるか、考えていきます。
指型で5の分解と合成が算数のスタート
2桁の基礎として、5の分解と、10の分解が、前提になります。
片手の指で、合わせて5になるには、4と1、2と3の組み合わせがあることを確認しておきましょう。
指でできたら、指を頭に描いて、暗算でもできるか、子どもに聞いてみましょう。
クラス全員に目をつぶってもらい、5になる仲良しの指を、右手と左手でそれぞれ作らせてもいいですね。
+1方式にならないように、一気に3の指、一気に4の指が作れることが、大事です。
両手の指で10の補数の分解と合成
数字の数を表わす指型7と、残っている指3で、10を意識します。
先生の指型の真似をして、子どもたちも7の補数の3を意識するように、残っている指を動かします。
こうして、指型の、9と1、8と2、7と3、6と4、5と5、4と6、3と7、2と8、1と9、を繰り返し意識します。
指型が、10の補数になっていることを、習得させます。
算数ブロックの10の枠
指型の10の補数が完成すると、算数ブロックも、10の枠を意識しやすくなります。
7の仲良しは3だと、算数ブロックのない空白の枠の数を意識できるようになります。
算数ブロックは、セロテープで巻いて、2・3・4・5の固まりにしておくと、子どもの操作が楽で、+1方式を防げます。
算数ブロックは、学校におきっぱなしのことが多いので、家庭用を購入することができます。
時計も付いているので、算数1~2年生の学習が、おうちでたっぷりできます。
ダイソーのたしざんカード
ダイソーには、子どもの手のひらにちょうど良い、5cm x7cm の小型の足し算カードも、🔴ドット付きのものが売っています。
🔴ドットのあるほうとない方と、表裏一体になっています。
答えの部分を指で隠してカードを提示すれば、暗算の練習になります。
ドット付きのカードで学習が楽になったら、ドットなしのカードでも学びます。
手で触って、目で見て、覚えることが子どもには必要ですね。
10の補数は、さくらんぼ計算および繰り上がり・繰り下がりの土台です。
足し算の時の、大げさな合わせる身振りも、子どもに+-記号の意味がわかるように、是非お願いします。
10の補数でさくらんぼ計算が楽になる
小学校では、さくらんぼ計算を、丁寧に教えてくれます。
さくらんぼ計算が難しい子どもさんは、5と10の分解と合成の指型と、5と5の算数ブロックで、10の補数を強化しましょう。
指型も、算数ブロックも、目に焼きつけて、絵に描けるくらいにします。
「算数忍者~足し算引き算の巻~」などのアプリも、子どもの興味をひきつけます。
「一人でもスラスラできる8つの無料算数アプリの紹介」の中に、子どもさんの楽しめるアプリが見つかるといいですね。
筆算の計算は一の位から、読み書きは大きい位から、その違いが子どもにとっては難しい
繰り上がり・繰り下がりの計算が楽になると、加減算の筆算は2桁から3桁に進めます。
筆算は、右はじの、1の位から順に行なうので、10の位も、100の位も、1桁の加減算になります。
ところが、数字を読むときと、書くときは、左の大きな位から、読み書きするので、位取りをわかっていないと、読めないし書けません。
子どもにとって、何が難しいのかを、大人がまず知って、支援することが必要ですね。
難しいここをクリアするには、3桁のお金の数直線を学習しましょう。
100までの序数
3桁の学習の前には、下の画像のように、1から100までの数字を大人が書いてやり、10・20・30………などと、10ずつ読めるようになるといいですね。
1・11・21・31………と、縦の系列で自由自在に読めるようになるのも、素晴らしいです。
まずはこの序数が、脳内に記憶されると、100までの数直線の穴埋め問題が、楽になります。
お金の数直線
生活算数を3桁にするには、お金の数直線を学習します。
すでに猫ちゃんブログでも、「算数の数直線を形成する方法」として投稿したことがあります。
実物のお金でも、オモチャのお金でも構いません。
自宅のプリンターに、硬貨を並べて、コピーできます。
後で、数直線の、穴開き□問題に使うので、この時、コピーを3枚しておいてください。
コンビニのコピー機では、硬貨はコピーできますが、お札はコピーできません。
コピーは、カラーコピーでなく、白黒コピーでも、子どもたちは読めます。
コピーができたら、数直線として意識するように、太いマジックで直線を下方に書きます。
プリントを画用紙に貼ってやると、しっかりして、長く使えます。
プリントをラミネートすると、滑りすぎるかもしれません。
実物やおもちゃのお金を、右に山積みしてやり、左へ1個ずつ滑らせます。
100円玉については、100・200・300・400・500・600・700・800・900・1000と、100円玉を左へ動かしながら、初めは大人が言ってやり、次に子どもと一緒に言い、最後は子ども一人で言わせます。
滑らせる運動が、記憶を助けます。
口でお金の数を言いながら、手を動かすという2つの仕事は、結構難しい仕事です。
漢字の部首を言いながら書くことよりは、やさしい作業かもしれません。
はじめに3枚コピーしたプリントを使って、算数の教科書の数直線問題のようなプリントを作ります。
プリントは、正答するように、正答するように作ります。
わかる時、できる時に、子どもは学ぶのです。
わからないと、学習全体が嫌になってしまいます。
100円玉を移動させながら、滑らかに言えるようになったら、5円と50円も行ないます。
5円玉の計数は、九九の5の段や、時計の5分刻みの時刻を読むのに役立ちます。
子どもが楽しめるようなら、50円玉も行ないましょう。
言いにくそうにしていたら、5円玉だけで十分です。
歌のように、リズミカルに言えるといいですね。
それには大人のお手本が、とても大事です。
記憶させるというよりは、その場で大人の真似ができたら、素晴らしいと思いましょう。
何で出来ないんだ、なんで覚えないんだ、また忘れたのか、という大人の心の中のつぶやきは、態度に現われ、難しい算数のしくみを理解しようとする、子どもの気持ちを傷つけます。
一の位、十の位、百の位の、同時提示が必要です
1桁、2桁、3桁、を同時に提示して、脳外での比較を、子どもの目に見せてください。
分かってしまっている大人も、脳の中にその全てを、記しているのです。
比較すると良い、似ているいくつかを、同時に見せることで、違いに気づかせます。
例えば、「3・30・300」「 13・130・103」などです。
貴文くんのお母さんが作ってくれた、以下のようなプリントを用意できると、似ている数字の差異を比べるのにいいですね。
プリントの枠を用意できない時は、ホワイトボードに、「百 十 一」と位を書いて、その下に▢▢▢を書けば学習できます。
ホワイトボードを使う理由は、消す行動が楽に起きるからです。
カラーの手がかりがなくとも、白黒の枠で十分、左の位からの読み書きを学習できます。
大きな数の位取り表記の仕組みにはお金の合算を学習する
書くことよりも、実物を扱うことが好きな子どもさんには、以下のような教材も向いています。
上の画像の左のようなベニヤ板と角材で枠を作れなくても、角材の代わりに、ホワイトボードに太いマジックで、しっかりとした枠を書いてやれば、学習できます。
ホワイトボードには、子どもも数字を書きやすいので、数字タイルもいりません。
実物のお金やオモチャで、下の画像のように合算し、表記します。
単一の種類のお金の合算はやさしく、種類が異なるお金の合算は難しくなります。
合算が難しい時は、以下のように合算を筆算で書けば、子どもも納得がいきます。
「お金の学習と表記で実感を付ける方法」も参考にしてみてください 。
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