自閉症の方の得意なオウム返しを利用してコミュニケーションを進化させる方法

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今回は、自閉症スペクトラムの方の「発信の自発の形成」について投稿します。

自閉症の方は、3項関係が苦手と言われますが、2者関係もかなり苦手です。

それが、「相手とのコミュニケーションが苦手」と、くくられる特性です。

自閉症の方のコミュニケーションの形成で、気をつけておくべき「対人関係の空間位置」があります。

自閉症の子どもさんが、会話で、対人関係の空間位置を移動することが難しいので、大人が移動します。

子どもと一心同体になって、子どもの側の発信の言葉を使いましょう。

得意なオウム返しを利用するという視点が大事

できるだけ、2者の対話型の応答を避けます。

インターネット検索「オウム返しイラスト」で出てきます

 a さんと b さんで会話するのでなく、 a さんも b さんになりきって b さんに求める応えを言うようにします。

例えば、「カレー食べる?⤴ うどん食べる?⤴」と、文の末尾のイントネーションを上げて疑問形で聞かないようにします。

どうするかと言うと、スプーンと箸を見せ、指差して「カレー食べたい⤵、 うどん 食べたい⤵」 と、文の末尾のイントネーションを下げて、want で言って見せます。

実物がなくて聞く時は、手を片方ずつ出して、「✋カレー食べたい⤵、✋うどん食べたい⤵」と身振りをします。

3つ以上で聞くときは、「1. カレー 食べたい⤵、2. うどん 食べたい⤵、3.おすし食べたい⤵」と数字を使います。

自閉症の方が、答える時の当事者になりきって、発話するのです。

このやり方は、自閉症の方だけでなく、1~2歳の幼児にも、会話の形成として有効です。

自閉症の子どもさんが、オウム返しで真似してくれたら、第一段階の完成です。

我々は、子どもと向かい 合っていると、どうしても、相向かいの質問者の言葉を使いがちになります。

向かい合っている時に、子ども側の話法を使うというのは、大人も結構難しいからです。

そこで、空間の位置そのものを、二人で並んでから、隣の子どもに質問するようにすると、子どもの側の言葉を使いやすくなります。

自閉症の方が、相手の気持ちを汲みにくいというのは、この物理的空間的な他者移動が脳内で難しいのではないかと、私は考えています。

同じ側に並んで、子どもに習得させたい言葉を、モデルとして、たくさん言ってみましょう。

呼名と挨拶がコミュニケーションの基本

保育園で、自閉症の子どもさんが通りすがりに友達を叩く、あるいは後ろから友達を叩くということを聞きます。

叩くのは不器用だからという理由もあるのですが、呼名が難しいために、接近や関心をひくことが叩くというコミュニケーションになります。

「ねえねえ」のような呼びかけが、苦手なのです。

例えば、物の受け渡しの時も、呼名と挨拶が大事です。

「先生、パズル貸してください」「先生、ありがとうございます」

「先生、パズル返します」「先生、ありがとうございました」

「先生、また貸してください 」

これらをまず、子どもと並んでいる時のお母さんが、率先してたくさんモデルとして先に使い、子どもにも「言ってごらん」「何て言うんだっけ」と言えば、子どもにも真似が起きます。

呼名と挨拶のモデルを、シャワーのように言ってみせる、大人の見本が大事です。

お母さんも、必ず、「〇〇先生、こんにちは」と、呼名と挨拶をしてください。

家庭でも、ただ「おはよう」だけでなく、人を意識して、「ママおはよう」「パパおやすみなさい」と、呼名と挨拶が言えると良さそうです。

まずは、大人同士がそのように、呼名と挨拶を、一年365日心がけると、良いと思います。

呼名をすると、目を見やすくなります。

物の受け渡しだけでなく、目を見て、人とコミュニケーションすることが増えるといいですね。

しかし、自閉症の方は、相手の目を見ることが苦手なので、呼びかけや呼名が少ないわけですから、目ではなく、物を見ながらの呼名と挨拶でも大丈夫です。

自閉症スペクトラムのかたのあいさつの形成の方法

オウム返しの肯定文、叙述の言葉の自発、オウム返しで習得した要求の自発

オウム返しを利用して、オウム返しで文の末尾を下げる肯定文、生活行動を言葉にする叙述の言葉、相手への要求の言葉を、真似して使ってもらいます。

大人がまだ質問していないのに、ある時、オウム返しを利用して、「ゲームする」「自転車のる」と、肯定文で要求してくれたら嬉しいですね。

インターネット検索「会話イラスト」でイラストは出てきます。吹き出しは私がつけました

大人のたくさんの入力で、子どもが、「着替える」「ご飯食べる」「トイレ行く」「歯を磨く」「学校の用意する」と、言葉にしながら、行動してくれたら、それも嬉しいです。

それには、大人が生活で同行する時、意識して、子どもの側の言葉を使うことが大事ですね。

「~しなさい。~して」ではなく、「~する」「~したい」と言って見せながら、家の中や教室を移動したり、手を動かしたりします。

大人がまだ質問していないのに、子どもが「カレー食べたい」「うどん食べたい」と want で要求伝達してくれたら、とても嬉しいです。

さらには、末尾のイントネーションを上げて、お母さんはどっちが食べたいか、 「ママ、カレー食べる?⤴」「パパ、うどん食べる?⤴」 と、子どもが疑問文を使って聞いてくれたら最高ですね。

いずれも、子どもに使って欲しい言葉を、子どもの側に立って、大人がたくさん入力しておくということがポイントです。

オウム返しの特性を、発信の自発の形成に、うまく使いたいですね。

自閉症スペクトラムのかたの敬語習得の方法

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