教材No.47-1 時刻の学習も3者を同時提示
➀ 正時
くもんの時計の学習カードや、教科書の時計の学習のように、まず一番に、正時(ちょうどの時刻を「せいじ」という)を読めるようにしたい。
正時が読めるには、1から12までの数字を、知っている必要がある
短針にHOUR(アワー=時)、長針にMINUTE(分)と書いてあるように、初めから、針に「じ」「ふん」と書く。
長い針が分の針、短い針が時刻の針である。
私はいつも子ども達に、こじつけで、「みじかい(針)のじ」が「時間のじだよ」と強調することにしている。
0歳から1年生いっぱいは、私は「時刻」と言わずに「時間は?今何時?」と教えている。
学校の算数では、1年生で、何時、何時半、何時何分を学習する。
時刻の説明は、学校の算数2年生「時こくと時間」で、刻と間を習う時でいいと思っている。
➁ 正時 5分過ぎ 5分前
次に5分過ぎと5分前を読む。
「ちょうど」「過ぎた」「まだなってない」の3者がわかり、そういう言語を持っていることが重要である。
その3者の比較で重要なのは、単独で学習するのでなく、3者の同時比較で学習することが重要になる。
正時ちょうどか、5分過ぎたのか、5分前なのか、それが重要だ。
下の画像のように、「ちょうど」「すぎた」「まだ」の文字カードを対応させる。
③ 何分過ぎ 半(30分)
それを理解できたら、10分過ぎ、15分過ぎ、20分過ぎなどを学習し、半(30分)を学習する。
長針が45分を過ぎると、短針が次の時刻に近づくので、読むことが最も難しい。
分が読めるには、0から59までの数字を知っている必要がある。
時刻を読むことが難しい子どもには、アナログ時計の下に100均のの小型デジタル時計をガムテープで取り付けておくと良い。
家中のアナログ時計に、100円ショップのデジタル時計を取り付けておけば、1年か2年で子どもは両者を付き合わせて読めるようになる。
いつのまにか読めるようになることが難しければ、上述してきたように、填め板時計・くもんの時計・100均の模型時計などで、学習すれば良い。
100均の時計のアクリル蓋を外すと、針をいじれる。
秒針が邪魔なら、中央の針の付け根を鋏で切れる。
教材No.47-2 時間の学習も2者を同時提示
時間の学習も時刻の学習と同様である。
「何時から何時まで何時間ありますか」という問題は、時刻を2つ並べて見せる。
「何時何分から何時何分まで何分ありますか」という問題も、同様である。
文章から脳内に時刻をイメージし、その時刻を脳内で前へ進めたり、あとへ戻ったりさせる、その作業を脳の中で行わせず、脳の外に出して見せれば、とてもわかりやすい。
発達障害があったり、歴年齢学習についていけない子どもは、脳内で行なうワーキングメモリーというのが弱い。
脳の外にメモすれば良いのだ。
脳の外に2者を提示してやれば良い。
テストの時は必ず自力で、2つの時計をテストプリントの脇に書くように言っておく。
脳内で針を進めるよりも、目に見える時計の絵で針を進める方が、確実な理解となりやすい。
いずれも、同時提示・同時比較という思考が重要である。
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