4歳7ヶ月のL君は、「1~5のだんご差しバラ」および「1~5の棒タイル・バラタイル階段(恐竜シール付き)」であれば、基数を順序よく系列化できるようになりました。
ドラえもんのナンバーブロックも、1枚のカードに基数が描かれているので、数字と対応できます。
数字と数唱
数字の形と名称の対応がまだなく、数字を指差しながらの数唱がずれます。
数唱だけが先に進んでしまいます。
数える時に、物と、指と、音声の一致がまだないです。
滑らすような触運動の計数が、必要と思われます。
数字を填めたり、棒を填めたりする教材で、「L君も言って」と、数唱を促すのですが、この半年間、L君は入れるだけで懸命で、数唱は伴わず無言です。


手で操作しながら、口で数唱する、2つの仕事の同時遂行が、特に難しい様子です。
1~10の指型
療育場面では、月に2回くらいしか実行できませんが、家庭のお風呂の湯船などで、毎晩、指型の指を出しながら、1から10まで唱えることなどを、実行したいですね。
毎晩やれたら、1年に365回できます。
そういう、家庭生活の数の土台があれば、幼児期の算数が進展する可能性があります。
現代の生活は、家庭のお手伝いやお店のお買い物で、子どもたちが算数に触れる機会が、昭和の時代より減っています。
発達障害・算数障害のある子どもさんにとっては、いっそう算数に触れるチャンスが減ったのです。
保護者の方も、数唱や指型など、身振りで数と量を結びつけることを家庭で意識してください。
大人も音声の言葉だけで済まさないで、数と量の中継ぎ信号になる指型を、子どもの目に見せることが大事です。
L君の確定域(得意)は恐竜
L君は、恐竜の填め板は、意欲的に行ないます。

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確定域では、やる気スイッチが入ります。
しかし、数やしりとりの学習は、意欲が落ちて、2回目はやらず、椅子から降りて「終わりにする」「帰りたい」様子になります。
病院の臨床検査技師さんが、毎回私のために入れてくれるお茶とせんべいが、机の上に残っていました。
L君は扇風機をいじったついでに、私の机まで来て、そのせんべいを見つけ、手に取って食べたそうにしました。
「あげるよ。座って食べよう」と進めると、とても嬉しそうでした。
時間帯も、ちょうど小腹の空く時間帯です。
そのことから、 L 君に麦チョコのような軽いスナックを学習区切りに使ったら、渋滞している学習の意欲が高まるのではないか、と考えました。
数字や数量という、L君の確定域でない学習意欲の支えに、麦チョコ1粒のようなお菓子を使いたいとお母さんに申し出てみましたが、「お菓子がないと勉強しなくなるから困る」というお母さんの心配で、許可をもらえませんでした。
私も仕事で、ボーナスを楽しみに働いているんだけどなー。
麦チョコがL君の不確定域の学習意欲の支えになって、学習が進展すると私は思っていますが、考え方は人それぞれなのでお母さんに従って使わないでいます。
本物のお菓子を使えないので、ヤフオクで、おもちゃのアポロチョコ・たけのこの里・ブラックチョコのパズルを手に入れました。
これなら、花丸や、「たいへんよくできました」のハンコと同じだと考えたからです。

それを学習区切りに並べることが、L君の楽しみにならないか、学習意欲を支えないか、と思いました。
数字の1から探して入れる照合と探索が難しい
L君は数字の填め板になると、意欲が落ちて、「1から順番に探してくる」という、目の照合と探索が非常に苦労な様子です。
ベビーブックの付録のアンパンマンのはめ絵パズルでも、余分なごっこ遊びが始まる理由は、見本と選択肢の照合と探索が苦労ななために、面倒になってごっこ遊びに流れるのだと分かりました。
数字も「見本の1を記憶登録して、10個の選択肢の中から1を探し出す」という探索に、時間がかかります。
目だけで探せずに、右手が視線の先で探索して、あちこちと宙を舞います。
1~10の数唱(音声言語)が未形成のために、探す時に数唱が助けに加わらず、目と手で探すことが渋滞します。
1から10の「数字の歌」も完成していません。
視覚探索より触覚運動を満たしたいL君
学習意欲を支えようと用意した、おもちゃのチョコレート「たけのこの里パズル」1つ1つのピースも、1~10の数字のケースに収める楽しみは持てず、たけのこのピースを1列に繋げようとする触覚運動が自発しました。

教材を、滑らす物・つなげる物のような運動教材として、L君は考えていて、「数の世界」をその教材から抽出して楽しむということが、まだ難しいです。
おもちゃのアポロチョコも、おもちゃのたけのこの里チョコも、食べられないおもちゃだと分かっていても、口の中に入れて噛んで確認せずにはいられない L 君。
言語的な認知より、触運動認知が優先されているL君です。
L君の楽しめる課題は、触覚運動なのだということが、このことからも、よくわかります。
数の学習に、触覚運動がもっと必要そうです。
1~10の序数が付いた恐竜パズルの購入
そこで、1から10の番号がある恐竜のパズルを、アマゾンで見つけ、購入しました。
下の画像の、上2つのパズルは、2021年8月31日投稿の、ヤフオクで見つけた大型恐竜パズルの小型版です。

10ピースは、L君の現在の発達に、ちょうどよい感じです。
どれにも左から1~10の数字が付いているので、1~10の序数を学べます。
この教材で、序数としての指型を何度もL君に作ってもらいましょう。
恐竜は6セットあるので、1~10の序数学習を6回やれます。
下2つのパズルは、恐竜の牙が見えているので、上4つしか使わないかもしれません。
数字の枠に恐竜の1から10のピースをまずは並べる
L君は恐竜パズルは好き、数字並べは楽しめない、その両極端の中間を取ろうと考えました。
好きな学習と嫌いな学習の中継ぎになる学習です。
数字の枠に、パズルのピースを、1から10まで並べたら、それが最もL君にとって、1から10を並べる意味があるのではないか、と突然思いつきました。
下の数字タイルのタイルを取って、枠だけにします。

タイルは 4 ㎠ あるので、タイルを外すと、下の画像のように、パズルのピースを1つずつ、1~10まで楽に並べられます。
まずは、イルカのパズルのピースで、私が1~9までのピースを、数字の枠に並べて見せます。

そしてL君には、1から順にピースを、イルカの枠に、填めて行ってもらいます。
そうすると、L君の苦手な探索の負担がなくなり、定位置の左の1から順に収めるということで、パズルが完成します。

恐竜パズルのピースも全てそのように、数字枠に順番に並べてもらいます。
恐竜パズルは6セットあるので、数字並べを最低6回学習できます。
同じものを2度やらない L 君にぴったりです。
以上のやり方を楽しんでから、恐竜パズルピースをランダムに置いて「1から10まで順番に探してくる」ということを、やります。
1~10を👀の照合で、探して入れながら、数唱もぜひ足していきたいです。
L君は、土日が休みの翌日の月曜日の療育は、落ち着いていて、やる気があります。
しかし、一週間の終わりの金曜日の療育の時は、一週間の疲労から、行動がザワザワとしています。
構音がはっきりせず、言語発達が遅れているL君にとって、歴年齢の子どもたちとの会話についていけない、一週間の疲労とストレスは、相当なものだと考えています。
楽しみに来るはずの療育で、わけの分からない数字やしりとりを押し付けられては、L君もたまりません。
L君には触覚運動が優勢、恐竜が確定域、そのことを忘れずにL君の発達に合う、L君が楽しむ学習を心がけたいです。
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