いわゆる「不器用」と呼ばれる子どもたちがいます。
相談場面で、生育歴や困り事を聞き、学校のノート類を拝見し、「くだものはりんごがすきです。」程度の短い作文を書いてもらうと、発達性協調運動症が疑われる子どもさんが多いです。
ADHDや自閉症の子どもの多くに、発達性協調運動症が併存すると言われています。
不器用な子どもは、以下のような症状が目立ちます。
発達性協調運動症の具体的な症状例
飲み込みが苦手、むせる。
首の座り、はいはい、歩き始めが遅い。
ジャングルジム、うんていなどの遊具を怖がる。
スプーン、はし、クレヨン、鉛筆、ハサミ、のり、を使うことが苦手。

走る、ボールを投げたり受けたりする、ボタンをはめたり外したりすることが苦手。
転びやすい、ぶつかる、力加減ができない、おもちゃを落とす、道具を壊す、姿勢が崩れやすい。
体育が苦手、リトミックやダンスが苦手、縄跳びができない、自転車に乗れない。
カバンや机の整理が苦手で、忘れ物が多い。
書くこと以外にも、運動面で色々な苦労があります。
書くことに苦労している子どもがいたら、「何でできないの!」ではなく、
「あって難しいね」
「のって書いて、縦棒|を書いて、めにして、横棒ーを書くと、あになるね」

「横棒から書くから、難しいよね」
書くことが苦手な上に、さらに書き順も問われることの、難しさへの共感が要ります。
右利きのあなたが、左手で書いてみたら、左利きの子どもや、文字を上手く書けない子どもの、苦労の体験ができます。

手指の巧緻性
「文字を書くこと」には、次のような手指の運動が必要です。
①親指と人差し指で、おはじきをつまめる
②指でなぞれる、たどれる

③クレヨンを持って、|ー/○▢◇△~+×*☆などの、色々な線分を描ける

④塗り絵ができる
⑤鉛筆を持って、色々な線分|ー/○▢◇△~+×*☆を書ける

出典「ちゃんと見えているかな」視能訓練士 北出勝也著 えじそんブックレット
⑥文字のなぞり書き

⑧文字の白抜き線書き

などができるようになると、ひらがな文字を書く準備が整います。
「くもんのはじめてのおけいこ」ドリルや、「はじめてのひらがな 1集」ドリルは、紙も厚く、カラーも美しく、見やすく、②たどる③クレヨン⑤鉛筆⑥文字のなぞり書きに、ぴったりです。
また、保護者が、子どもに、個人使用で無料ダウンロードするには、
ぷりんときっず (運筆)
ちびむすドリル (50音ひらがな)
などがあります。
なぞり書き無料アプリ
iPad や スマホで使える、無料のアプリには、指でのなぞり書き無料アプリがあります。

書き順ロボひらがな/カタカナ(iPad iPhone App Store)
書き順ロボひらがな/カタカナ(Android タブレット Google Play ストア)

鉛筆を持たずに、指でなぞり書きできるアプリは、運動感覚を満たし、運筆も楽なので良いです。
このアプリのシリーズには、漢字ロボ1~6年生まで、ローマ字ロボ、書き順ABC などもあります。
不器用な子どもにはコツを言語化してやることが必要
手指が不器用な子どもは、書くことを嫌がって当然です。
書くこと以外で、手を使いましょう。
レゴブロックだったら、組み外しのコツを、言葉で教えます。
ADHDや自閉症の子どもは、コツをつぶやくことが苦手で、コツを言葉で言えません。
レゴブロックの凹面と凸面を突然合体させるのでなく、「凹面の角の1辺と凸面の1辺を合わせて組みます」ね。
ペットボトルキャップの開閉だったら、「キャップを親指・人差し指・中指で30の力でつかんで、100の力を入れて、反時計回りに回す。」
人に何かを手渡す時は、「30の力でそっと渡す」などです。
子どもは、ゼロや100など、数字だと、力の調整も理解しやすいです。
コツをつぶやいて、教えましょう。
お米とぎ、食器洗い、洗面台磨き、浴槽洗い、雑巾がけ、など、家事を手伝ってもらうと、手を使う仕事ができます。
2㎠の四角の中に文字を書くような緻密な仕事でない、手指全体を使う、大ざっぱな仕事です。
大ざっぱな仕事も、コツが必要で、一緒に行ないながら、一つ一つコツを言葉で教えましょう。
手を使うお手伝いは、手指の巧緻性にも、家族の一員としての自信にも、効果的です。
楽しく塗るためには、どうしたらよいか?
塗り絵で力の強弱を覚えるには、本人の好きな材料の塗り絵にします。

塗り絵も、コツを言葉にして教えます。
「周りの線から塗る、ぐるぐる塗る、ザーザー塗る、小指を紙につけてクレヨンを細かく動かす、クレヨンが太い時は色鉛筆で塗る」など。
昆虫が好きなのか、恐竜が好きなのか、トーマスが好きなのか、ウルトラマンが好きなのか、本人の興味関心を大切にして、白黒コピーすると、好きなキャラクターの塗り絵が出来上がります。

おもちゃ売り場に行くと、無料のおもちゃカタログをもらえます。

好きなキャラクターカタログや絵本を、セブンイレブンやスーパーなどで、薄く白黒拡大コピーすると、塗り絵になって楽しいです。
楽しく書くためにはどうしたらよいか
トーマスのキャラクター名のなぞり書きから始めて、カタカナを覚えた小学校1年生もいました。

好きなキャラクターであれば、文字書きの取りかかりが良くなります。
学習の始めに、その子の興味関心、得意な領域を、設定することが大事です。
ひらがなから始めなくても、カタカナやアルファベットから始めても大丈夫です。
書くことの抵抗が少なくなったら、ひらがな50音表のなぞり書きを練習しましょう。
文字を組み合わせて、自由自在に単語を書くには、50音表による文字の位置の記憶が大切です。
位置の記憶があると、「のめぬあ」「ちらるろそ」「うと」「ねれわ」などの、似ている文字を分けることが簡単になります。

書くことが少し好きになったら「あ」から「ん」まで練習するといいですね。
もちろん、「あいうえお」から書くことが好きな子どもは、初めから50音表のなぞり書きで良いです。
特に拗音は、表で「きゃきゅきょ しゃしゅしょ」と、表の位置と音をリズムよく、一致させておくことが大切です。

次回の特別支援関係の投稿は、読むことの難しさと、読む練習アプリを紹介します。
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