支援者になるための23のポイント

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教育仮設No.15-1 支援者と被支援者の相互主客二役性(梅津)

 支えようと思って係わった子どもとの間で、新しい工夫という革生行動(革命的な生命活動)が自分に起きる。

その新しい工夫を子どもが喜んで、相互に喜びを共有する。

子どもの喜ぶ様子を見て、子どもと共有できた喜びが、 また新しい革生行動(梅津)につながる。

そうしていくうちに、支えようと思って係わった子どもが、ある時自分の支えであることを知る。

子どもの存在が、子どもの行動が、自分の新しい工夫の支柱である。

子どもに学ぶとは、そういうことだ。

支えようと思って係わり、実は自分が「子どもの喜ぶ姿」に支えられていた。

特別支援教育には、そういう魅力がある。

教育仮設No.15-2 支援者が知っておきたい23のポイント

1.相手のことが分からないときは、相互障害状況だ。相手もそう思っているに違いない。分かり合えない状況の責任の半分は自分にある。

2.自分自身の生育歴や教育歴の、知識の外にいる子どもたちであれば、子どもの行動がそうなるときの直前の条件を探ろう。 

3.子どもを理解するには、赤ちゃんからの成長を知る、発達心理学が必要だ。

4.視覚系の目の発達➡触覚系の手の発達➡目と手の協応➡聴覚系の聞き取りの発達、という発達の順序を知ろう。

5.生まれつき備わっているはずの選好注視(好んでお母さんの目を見る)、 原始模倣(お母さんの真似をする)、応答の力(お母さんの表情の意図を汲む )が、生まれつき弱い子どもたちがいる。

6.喃語、指差し、視線の社会的照合、言葉の発達が、なかったり遅れたりしている子どもだ。

7.脳には性差があり、男の子は言葉が遅かったり、多動だったり、どちらかと言うと自閉症脳と言われ、1つのことに集中しやすい特性がある。

8.核家族化が進み、家庭も地域社会も、子どもへの見守りが減っている。

9.テレビ、ゲーム、YouTubeで、対面や会話が減り、情報の自己刺激閉鎖回路が増えている。

10.子どもは親からもらった脳で、 親の育児環境で育つ。子どもの脳に責任はない。 

11.荒れる子どもも、切れる子どもも、逆らう子どもも、不適応の子どもも、実は、生まれつきの脳や、育った家庭環境、および情報化社会の被害者である。

12.そういう「好適応性」「好社会性」の少ない子どもたちが、 集団の和を乱す、学級を崩壊させる、通常学級の教員を鬱にさせる。お互いに、SOS状況だ。

13.しかし理解としては、彼らは先天的な脳機能の「被害者」、訳が分からない時は「相互障害状況」、落ち着きや社会性が他の子どもよりも「ゆっくりとした発達経過」をたどると考えたい。

14.発達の到達順に入学できない。何年4月から何年3月までの生まれ月で入学するのが、現実だ。

15.子どもに個人差があるのに、生まれ月で集めることが理不尽だ。子どもの個人差の苦労を、長い目で、温かく見て取れるかどうかが、教員の気持ちを軽くする。少数派を認めよう。

16.温かく見て取るとは、教育目標という最上位目線ではなく、ノーマルな大勢の平均・標準目線でもなく、最も下位の赤ちゃんの発達の下位から上位への目線を持つことである。

17.すると、今現在できていない行動の、一つ手前の行動、既にできている行動を認める声かけをすることができる。席を離れた子どもに対して、「国語の教科書、出せているね」と声をかけることができる。 

18.保育文化と学校文化の違いも想定しておく。それについては2020.11.24「教室離脱に対応する方法」に詳しく書いた。https://nekochanblog.com/how-to-deal-with-classroom-withdrawal/

19.赤ちゃんの発達に倣って、触覚系の運動の重要性に倣って「手悪さ」と呼ばないことにしよう。

20.私を見てくれないなんて悔しい。どうしたらこっちに注目してくれるのかな? 「目から注目光線出してね!」と言いたい 。物理的な工夫としたら、実物の提示、写真、絵、拡大コピー、身振り、空中空書き、一斉復唱、テレビモニター、実物投影機、いずれにしろ、先生の音声言語説明で、脳内イメージを持ちにくいので、聴覚系に弱く、視覚系は注目しやすく、触覚運動系に最も強いから、手に仕事を与える。

21.手(触覚系)と口(音声運動系)に仕事のある学習を組み立てるといい。

音読の例

①立位音読一斉(机間巡視刺激)気になる子に「うまい」のささやき

➁CD範読(聴く)(机間巡視刺激)おとなしい子のそばに立つ

③指たどり音読(机間巡視刺激)気になる子に「そうだ」のささやき

④コの字指音読(机間巡視刺激)気になる子に「コの字」のささやき

⑤両手で教科書保持音読(机間巡視刺激)  気になる子に「できる」のささやき

⑥個人ガヤガヤ音読(机間巡視刺激)学力の低い子に「上手」のささやき

⑦交代丸読み(机間巡視刺激)「うまい」の合いの手

⑧ペア交代音読(2音読)(机間巡視刺激)「上手」の合いの手

⑦川ごとの交代音読(机間巡視刺激)「ビックリ」の合いの手

⑧座席位置そのままの筍読み(机間巡視刺激)「素晴らしい」の合いの手

⑨円形に集まっての筍読み (先生も一員に) 最後に「いやー、よく読めたぁ」

⑩音を出さない口パク読み =声を出せない通常学級で内言語(心で呟く)を育てる

算数プリント問題の例

①1問ずつ切り離し、給食台か教卓に籠を幾つか用意して、1問プリントを取りに移動。

➁4問プリント

③8問プリント

④一人の子どものために、A3に拡大する。

⑤一人の子どものために、▢空欄、(  )空欄、原稿用紙マス目▢▢▢▢▢にする。

⑥B 5のノートに貼り付けるプリントの時はB 5サイズよりも周囲をさらに小さく切る。 

⑦なくす・忘れる・破く子どもを想定し、常に3枚はプリントを余分に用意する。「ジャジャーン。用意してあるんだよね。頑張って。」非難よりは応援がやる気にさせる。聞いている周囲の子どもたちの心もユーモアで 暖かいクラスになる。先生の子どもに向かう姿勢を全員が真似ることになる。

22. 「特別支援教育は物理的な支援で結構うまくいく」2020.12.5投稿https://nekochanblog.com/special-needs-education-works-quite-well-with-physical-support/

①座席の決定の方法

➁目に見える指示にする

③注目を促す方法(指差し棒・見てくださいの枠・ 赤マル磁石)(前振りを言う、子どもに復唱させる)(先生が身振りをする、子どもに身振りを真似させる、脳内イメージを促す)

④タイマーを使う

⑤同時提示(似ている平仮名、似ているカタカナ、似ている漢字、間違いやすい九九)

⑥比較照合(画数よりも書き順よりも、へんとつくりの覚え方。漢字の分解と合成➡英語)

⑦選択的 (丸で囲む、丸をつける、記号で選ぶ、書字量が少ないと取り掛かりやすい)

23.支援者になる まとめ 

①接近と回避、粗大と微細、自全態と不全態で行動を理解する。苦手と得意への共感が大事。

➁自分も家族もいつか、認知症や病気になって、障害者の側になり、たくさんのサポートを受ける状況になる。

③相互障害状況の時、子どもの苦手さや苦労の現勢を保障し、共感し、マイナスに触れないで、確定域を維持・拡大すると、結果として新しい行動が起き、思いがけず苦手な領域にも踏み出してくれることがある。 

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