教材No.13-1 並べる力
線図形が分かったり、ひらがなに興味をもったりするまでには、様々な力を必要とする。
例えば、好きなアンパンマンのキャラクターを並べる、好きな交通標識の模型を並べる、トミカの車を並べる、などの並べる力が、文字で単語を構成する力につながる。
園児が分かりやすく並んで立てるように、保育園のS.ともみ先生が並ぶ位置を視覚的に、上靴の絵で見せた。
2歳児でも上靴の絵があると、綺麗にそこに上靴を並べた。
画用紙に書かれた上靴の絵と、本物の上靴と、属性が異なっても同じと定めて、対応させることができる、そういう力も、文字で単語を構成する力につながる。
並べる、そっくり同じ、見かけは少し違うが意味は同じ、そういう力が育った時、文字での単語構成ができる。
教材No.13-2 好きな領域がある力
下は、裏が磁石になっている、スーパーマーケットの品物のミニチュアだ。
品物の名前を言いながら、お母さんや先生と並べる。
カラーコピーして、下絵を貼れば、絵合わせになる。
下は、街中でよく見かけるお店の名前だ。
お店のマークだけでなく、お店の文字もある。
子どもたちは、それをいつも見かけている。
お店のマークやお店の文字に興味を持つ頃に、文字での単語構成が可能だ。
大好きな電車であれば、「で・ん・しゃ」という文字に興味を持つ。
興味を持っている確定域から、文字の構成もスタートすると良い。
教材No.13-3 音声のような言葉の力
音声の言葉を持っていない場合や、1音や2音の単語を言える子どもさんには、事象に対して1音や2音の単語を構成する文字学習からスタートすると、対応の意味を取りやすい。
タイルは重みがあって教材として触覚を満たしていいが、物を投げる子には危険で向かない。
発泡スチロールなどの方が良い。
1音しか出せない子どもも、事象と文字の結びつきの学習はできる。
音声は、口を開くア段が出しやすく、次に口をすぼめるウ段、難しいのは口の形が難しいィ段とエ段である。
その子が出しやすい音、その子がすでに使っている音を、1音1文字対応に選ぶと良い。
出しやすい音は、行で言えば、ア行・ハ行・マ行・パ行・バ行である。
反対に難しいのは、カ行・サ行、舌を使う タ行・ナ行・ラ行・ダ行だ。
教材No.13-4 文字に対する興味・関心の力
50音表も黒い線分の文字46個になると、色を失って味気ないので、カラフルだと喜んでやってくれる子どもさんもいる。
下は、46文字でなく、ベニヤ板で、50音の行ごとの10本にして、簡単にした。
子どもが1行ずつ入れるときに、お母さんや先生が1行ずつ「あいうえお」「かきくけこ」と音を添えてやるといい。
下は、ミッフィーの木製”あいうえお”である。
メルカリで1180円で販売中。(2024/5/26現在)
文字の下は、アヒルやイチゴの絵になっているが、そっくり同じものを対応させるという意味で、文字をカラーコピーして、下文字として貼り付けた。
文字と文字の対応の方がやさしい。
文字と絵柄の対応になると、音声の中継ぎがないと記憶が大変だ。
五十音表は、位置の手がかりがあるので、記憶を助けるから、学習に使う。
木製パズルになっていると、はめ込むという内包的なフィードバックがある。
7歳以下の子どもが、感覚のフィードバックを喜ぶ。
下は、木製知育パズル あいうえおの文字をカラーコピーして、下文字を貼った。
ひらがなの行ごとに、文字、色分けされているので親切である。
文字が2mm ほど浮き上がっている市販品は、填めるのも、外すのも、使いやすそうだ。
下はダイソーの110円のもので同じく、文字ををカラーコピーして下文字に貼った。
文字の木片が2cmくらいと小さく軽いので、年齢が小さかったり、手が不器用な子には向かない。
しかし安いので、ちょうど楽しめる時期の人には、この上なく便利だ。
50音表でひらがなを学べる無料アプリ「かなトーク」
50音表については手で触って運動で文字を重ね合わせられるととても良いが、手に入らない時は、iPad などの タブレットで、無料アプリ「かな トーク」の50音表で、ひらがなを学習すると良い。
文字をタッチするたびに、文字を読み上げてくれる。
「かなトーク」では、もちろんカタカナも50音表になっていて学習できる。
教材No.13-5 子どもの確定域で文字を学習する
その他にも、下の左のように、自動車かるたが好きだったり、ちびまる子ちゃんのかるたが好きだったり、教室の大きなひらがな書き順カードが好きだったりする子どもがいる。
子どもに大好きな確定域があると、それを学習につなげられるので、とても助かる。
子どもの興味・関心、好きなもの、確定域を大事にし、楽しみながら、その先はちょっと味気ないが黒線ばかりの50音表にも、学習は進んでいける。
ひらがな50音表で、単語構成ができるくらいの力がある子どもさんの場合には、50音表の底板がベニヤ板でなくても、下の50音表のような厚ボール紙2枚を、両面テープで貼り付けた底板でも、取り扱いは丁寧に学習できる。
ベニヤ板を切り出さないで済み、ボール紙・厚紙で底板を製作できれば、3 mm の角材貼り付けだけで済む。
子どもの学習が進展すると、大人の教材づくりは本当に楽になる。
教材No.13-6 1音1文字で意味のある「め・て・は」の学習
お母さん方がしばしば、「子ども自身がどこが痛いのか具合が悪いのか、言えるようになってほしい」と話すので、文字学習のはじめ、好きなものの文字に取り組むころに、身体の部位名の「め」「て」「は」にも取り組むことが多い。
ひらがな清音46文字の中で、1音1文字で意味のある文字は、25個ある。
「い、え、お、か、き、け、し、す、た、ち、て、と、な、に、ね、の、は、ひ、ふ、へ、ほ、め、や、ゆ、わ」である。
生活の中で子どもが見聞きし使い、写真に撮影できる1音1文字は、10個程度かもしれない。
教材No.13-7 2文字以上の単語の構成
2文字の構成になると「あし、いえ、あお、あか、かき、かさ、くし、かお」などを学習できる。
いずれも、文字の構成には、実物や写真、絵事象があるほうが、意味を取れるので良い。
アイキャッチ画像に載せた、学研ステイフルの木製あいうえおパズルは、2024/5/26現在、メルカリで1点、1800円で、販売中である。
学校では、図書費・教材費・就学奨励費 ・PTA 会費などで、学習教材として、特別支援学級や通級指導教室に、購入してもらうと良い。
単語構成の後は、文章構成に進むのだが、「大きい・赤い・丸」などの多胡語鎖 、「 誰が何を食べる・飲む」などの文章構成は、数回先で紹介したいと思う。
次回は、数字や文字のなぞり書きのプリントを、ご紹介する。
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