学校教育の漢字記憶は、視写法が主流です。
通常学級では、他の子どもの考えを邪魔しないために、黙って漢字を書いて練習するので、どうしても黙読の視写法なります。
子どもたちは、毎日毎日、漢字練習帳に、何行も何ページも、漢字を目で見て、書いて写して、宿題を仕上げていきます。
書くことを嫌がる子どもにとっては、この膨大な量の漢字練習が、苦行になります。
書くことが嫌いだと、イライラしたり、怒ったり、破壊的になったり、離脱したりします。
漢字記憶は視写法よりも聴覚法
目で見て、書いて写すだけで、漢字を覚える子どもがどれだけいるでしょうか。
漢字の意味をとって、記憶することが難しい、発達障害の子どもたちにとって、この視写法の漢字練習は、なかなか漢字記憶になりません。
忘れてしまったり、似ている部分を混同したりします。
漢字をたくさん書かなくても、覚える方法があります。
それに最も適している教材が、道村静江先生の「唱えて覚える漢字指導法」です。
特別支援教育サポートブックになっています。
もちろん、保護者の方や学校の先生が、自ら開発した、「こじつける覚え方」でも大丈夫です。
例えば、漢字の漢の覚え方は「さんずい 草冠 口 二 人」などですね。
目だけで写すのではなく、唱えて覚えるようにすると、漢字練習は、次のような量で済みます。
「これだけでいいの?」と、子どもたちは飛び上がって喜ぶに違いありません。
小学校1年生の象形漢字は実物と結びついて記憶しやすい
小学校1年生の象形漢字には、教科書にも、以下のような教材がありますね。
実物や絵から意味が取れるので、1年生ではほとんどの子どもが漢字を覚えやすいです。
空から雨が降ってくる絵を見せてもらって、「上の空から雨が点々と降ってくる様子が雨という字だね」と言われれば、大抵の子どもさんがイメージできて分かります。
実物➡絵➡音声からのイメージ の順に、漢字と意味を結びつけて記憶することは難しくなります。
絵なしで、「空から雨が降ってくる様子が雨という字だね」と言葉だけで言われたら、言葉からイメージ出来る子どもは記憶しやすいが、言葉だけではイメージ出来ない発達障害のある子どもは覚えにくいです。
漢字記憶が難しくなる2年生からは唱えて覚える聴覚法で支援
2年生になると、漢字のかんむりや、へんとつくりが組み合わさって、漢字記憶が難しくなります。
言葉が活発な子どもさんは、漢字の似ているところと違うところを、自分に言い聞かせることができて、覚えていきます。
話し始めが遅かった、気持ちの言葉が言えない、などの言語発達が遅れ気味の子どもさんは、漢字の同一性や差異性を、言葉で分けて記憶していくことが難しいです。
そこで助けになるのが、道村静江先生の、小学校1年生から中学生まで「唱えて覚えることができる漢字指導法」です。
漢字の合成が、カタカナや1年生の象形漢字レベルの覚え方で、目で見てわかるカードに書いてあります。
保護者も先生も、毎日新しく覚え方を考え出さなくても、この教材を利用すると時間短縮で便利に支援できます。
似ている漢字の、同時比較ができます。
もちろん、空中にする身振り運動の空書きなどは大事ですね。
空書きと同時に「温」の画数を「123456789101112」というよりは、「さんずい 日 皿」と言いながら、部首で空書きしてほしいです。
似ている漢字の、同時提示ができます。
中学校編もあります。
つくりが同じ漢字を、比較照合して、唱えて覚え分けることができます。
カタカナ、象形文字、へんとつくり、に分解合成して、唱えて覚えることが聴覚法です。
ミチムラ式漢字学習法について
道村静江先生の著書には、以下の書籍があります。
ミチムラ式漢字学習法は、組み合わせを、唱えて覚えるスタイルで、何度も繰り返し書かなくても、漢字の「書き」を習得できます。
漢字カードはオンラインショップで売っています
1学年あたり990円、6学年全部で4980円、中学校編で5500円です。
教科書に準拠した会社の漢字カードを購入できます。
電子書籍 漢字eブックについて
「ミチムラ式漢字カード」は電子書籍にもなっています。
Android、Chromebook、WindowsPCで、使えます。
タブレットならば、やる気が起きるという子どもさんには、ぴったりですね。
漢字の読み方と書き方を、音声が読み上げてくれます。
イメージ写真付きで、意味がわかりやすいです。
無料サンプルで、中身を見られます。
iPadなどのApple製品で利用する場合は、アップルブックストアから購入できます。
唱えて覚えるタイプにはその他にも2種類の書籍があります
1.小学全漢字おぼえるカード
2.まんがとゴロで楽しく覚えて忘れない小学漢字1026
子どもさんの漢字記憶に苦労している保護者のみなさん、通常学級の先生、特別支援学級の先生、通級指導の先生も、参考になさってみてください。
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