鳴かない猫の花ちゃん

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鳴かない猫の花ちゃん

花ちゃんは、緊急時に助けを呼ばない猫だ。

普段は、「花ちゃん」と呼ぶと、視線をくれて「ニャー」と返事をする。

また、3食の食事の時間帯には、人の顔を見上げて「ニャー」と、足元に催促に来たりする。

特に、朝はお腹が空いているのか、朝ごはんの要求は、最も自発的な「ニャー」語がある。

花ちゃんを閉じ込めてしまった 

冬なのに、花ちゃんを人気の無い場所に置き去りにして、ドアで閉じ込めてしまったことが3度ある。

ホント、申し訳ない飼い主である。

1度目は、「花ちゃん今夜はベッドに来ないなあ」、と思いながら、何も疑わずに休んでしまった。

その時は、朝、階段のドアを開けたら、花ちゃんがピョンと、十二支の順番が決まった物語のネズミのように飛び降りて来た。

一晩中、階段のドアに張り付いて、起きていたのだろうか。

探さなくて、ごめんね、花ちゃん。

私がお風呂の用意をしている間に、浴室とは逆方向の階段を上っていったらしい。

花ちゃんが私のすぐあとを付いてきたとは知らなかったので、カーテンを閉めたり、エアコンをつけたりして、階段のドアを閉めたのだ。

休む時、私が物音に注意を払わなかったせいもあるが、花ちゃんのSOSの鳴き声は全く聞こえなかった。

7歳、7kg、鳴けない花です。ヨロシク!

鳴いたりガリガリしたりしてほしい

この1度目の時に、花ちゃんは緊急時に鳴かない猫だと思った。

だから閉じ込めてしまうことに、注意をしなければいけないと、その時は思った。

二代目猫のクーちゃんは、閉じ込められると鳴いてくれた。

だから助けられた。

クーちゃんは、生まれた時から家猫だったせいかもしれない。

訴え方が上手であった。

初代猫のお母さんも鳴かない猫だった。

お母さんも元々は花ちゃんのように野良猫だった。

野良猫は、自分の居場所をよそ猫に知られまいと、鳴かないのだろうか。

子育て中の母猫であることも、鳴かないようにさせているのかもしれなかった。

SOS の声を挙げないところが、野良猫だったお母さんと花ちゃんの似ているところだ。

子どもでも、一番肝心な時に、固まって黙ってしまう子どもたちがいる。

恐怖と不安で、声が出なくなってしまうのかもしれない。

下位の動物である猫にある行動は、上位の動物である人間の行動にも含まれている。

2度目

2度目は昼間だったので、「あれ、花ちゃん、いないなあ」と思って探し回り、ドアを開けたら、花ちゃんは何事もなかったかのように、そーっと入ってきた。

冬だから、昼間でも寒いので、花ちゃんがいくら猫の毛皮を着ているといっても、「気をつけなきゃな」とその時も思った。

昼間で、探したからいいようなものの、花ちゃんの行方を忘れてドアを閉めてしまう。

記憶が弱くなった、懲りない飼い主である。

怒ってる?!閉じ込められても、そばに来てくれる。

2度あることは3度ある

3度目が、昨夜だった。

1度目と同じだった。

「花ちゃん今夜はベッドに来ないなあ」、と思いながら、何も疑わずに休んでしまった。

花ちゃんは1度目の時と同じに、昨夜また私のすぐ後をついてきて、私がお風呂を用意している間に、浴室とは逆方向の階段を上っていったのだ。

そうとも知らずにまた、エアコンをつける時にドアを閉めてしまった。

休む時、花ちゃんがベッドに来ないのだから、全てのドアを見なければいけなかった。

花ちゃんの存在位置を確認しないで、「今夜は花ちゃんは別のベッドでのんびり寝ているのかなー」と、思い込んで休んでしまった。

1度目のことを思い出さなかったのだ。

こんな飼い主に飼われる花ちゃんは、とんだ迷惑である。

紙に「花ちゃんは いるか?」と書き留めて、エアコンのリモコンそばに貼りたい。

猫を飼う力

花ちゃんをもらうとき、条件に「高齢者お断り」があった。

自分では若いつもりであったが、記憶の頼りなさを、この1~2年ひどく感じる。

記憶だけでなく、身体も衰えていて、この半年くらい、手足に小さな怪我をいくつもする。

パソコンにかじりついてばかりいないで、有酸素運動をしなきゃいけない。

血流や脳に酸素を送らないと、ますます花ちゃんのお世話が至らなくなる。

花ちゃ7歳、人間で言うと40代だ。

5年後、花ちゃんが12歳になると、私の人間年齢と大体同じくらいになる。

その先は、花ちゃんの方が4倍速で年取っていく。

花ちゃんのためにも、私は今から筋肉と記憶力を貯金しなければならない。

パソコンの椅子から立つたびに、20回その場スキップをする。

これを続けたら、幽霊血管による、足首から先の冷たさが減った。

花ちゃんは、昨夜の不眠による疲れもあってか、鳩のような寝息を立てながら、窓辺の猫台で、足を温めながらお昼寝をしている。

きょうは、冬の日差しが嬉しい。

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