4 人見知りが強い猫
初代猫のお母さんは抱かれることを嫌う猫だった。

フワフワしたお母さん猫を私は抱きたかったが、抱くと逃げられた。
お母さんは写真に撮られることも嫌いだった。
カメラの黒いレンズが怖いのか、レンズを向けると目をそらした。
あるとき、あの「はっちゃん日記」で有名な八二一のお二人が本の中で撮影のコツを3点書いていた。
1.猫の目の高さで撮影する。
2.瞳に星が写るように撮る。
3.好きなオモチャを使う。
それからはできるだけそのように真似ようとしたが、私のガラケーのカメラの手振れ、接写ぼけで私のカメラセンスは上がらなかった。

ガラケーのカメラを構えると、猫ちゃんたちにいつもそっぽを向かれた。
二代目猫のクーちゃんも抱かれることが好きな猫ではなかった。
写真撮影も好まなかった。
ほとんどの猫はそうなのだろうか。
そうだとしたら、岩合光昭氏の撮影力はやはりすごい。
猫の習性をよく知った人でなければ撮れないプロの技だ。
岩合さんの「世界ネコ歩き」の放映を見ていると、岩合さんが何十分も何時間も、ときには数日カメラを構えて、撮影チャンスを狙っているというくだりが何度も語られる。
私とは、観察と構えとカメラの値段が違う。

3代目猫の花ちゃんも抱かれることを嫌がる。
もちろん写真撮影も嫌がる。
さっきまで自然ないい表情をしていたのに突然目を伏せる。
横を向く。
我が家に来た3代の猫たちはそこが共通していた。
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