教材No.19-1 述語「大きい」「小さい」の決定
教材No.17で、多語連鎖を学習した。
その時の大小比較を使って、事象と文章の対応強化を形成する。
抽出する事象と捨象する事象における、抽出する事象の文章化だ。
大小の2つの事象にそれぞれ「大きい」「小さい」と割り振ることは比較的やさしい。
まずは、述語の「大きい」「小さい」の決定ができると、先へ進める。
教材No.19-2 主語+述語「何々は 大小」の決定
主語と述語が直結している「何々は 大きい」「何々は 小さい」はやさしい。
大小2つの割り振りの文章構成もやさしい。
大小2つの事象を見ながら、1つの事象だけを文章で表わすことは、上記より難しい。
2つの事象が見えているのに1つを無視して、1つの事象だけ文章にしなければならないからだ。
大小2つの事象の、大きい方か小さい方かいずれか1つだけを文章化することを練習しておく。
教材No.19-3 「より」を最後尾に付ける
そこで、主語と述語の直結を離さず、「何々は 大小。何々より」と、「より」を最後尾に、先生がおまけで置く。
次に先生がおまけで置いていた単語カード部分を、子どもにも構成してもらう。
「何々は 大小。何々より」と、「より」を最後尾に持ってくることは、子どもにとっては考えやすいということが、私の経験ではわかった。
教材No.19-4 「より」を中間に入れる
しかし主語と述語の間に、「何々は 何々より 大小」と入れると、断然難しくなる。
「より」と「は」の、「より」が述語の「大小」に近くなったために「は」と混同されるのだ。
「より」の事象は比べるのだが一旦忘れて捨象し、「は」の事象の大小に対応する述語を、決定しなければならない。
「より」の事象に透明✖印カップをかぶせてみたり、単語カードを「おなじより」としてみたりしたが、よりが文章の中間に入ると、主語「何々は」と述語「大小」の対応が弱くなった。
数人の子どもと「何々は 何々より 大小」を学習したが、主語+述語の中間に「より」を入れると、主語=述語の対応が混乱した。
教材No.19-5 時間順序では「より」を後から先頭へ置いてやる
「(何々より) 何々は 大小」と、「より」のカードを時間順序では後から、先生が先頭に足して見せるのであれば、少しは子どもにとって考えやすいということがわかった。
事象の読み取りと、それに対応する文章の構成が目的なので、「より」で混乱させないで、子どもが分かりやすい対応関係の文章化に留めておく方が良い。
会話の中で、主語+目的語+動詞が話せる子どもであれば、文章構成チャレンジのチャンスはしばしばある。
主語+目的語+動詞をまだ話せない子どもに対して、見える文字カードによる文章構成が、脳で組み立てる会話をリードするよう、「食べる・飲む」「より」の学習を試みた。
教材No.19-6 単語の入れ替え「目的語+主語+述語」
単語の入れ替え学習の強化に戻るのであれば、教材No.18で行なった「食べる・飲む」の学習に戻り、主語+目的語+述語だった「誰誰が 何々を 食べる・飲む」の順番を、目的語+主語+述語「何々を 誰誰が 食べる・飲む」と学習してみることも可能だ。
「食べる・飲む」は語順が変わっても、捨象する事象がないから、やさしい。
「より」の事象は捨象され、それには触れないでおくので、「無視する」ということが難しい。
「食べる・飲む」の語順の入れ替えを経験してから、再び、「何々より 何々は 大小」を学習し、「何々は 何々より 大小」にチャレンジしても良い。
教材No.19-7 「何々は 何々より 幾つ 多いか少ないか」
小1の算数文章題の「何々は 何々より 幾つ 多いか少ないか」も、同様の難しさがあると考えている。
上記の問いの手前では「同じ」「違う」を学習し、「幾つ違う」を学習する。
そして、「幾つ多い幾つ少ない」では、同じ量の部分に線を引いて、同じより多いほうが主語か、同じより少ないほうが主語かによって、違いの量=差の量を決定する 。
幾つ多いか?問われるほうがやさしく、幾つ少ないか?を問われるほうが難しい。
多い方は多い事象分が見えていて、少ない方は多い事象の個数を借りなければならないからだ。
多少算はいつも、引き算となる。
このあたりから、算数文章題が苦手だ、という子どもが出てくる 。
よりも、多少も、やさしい順に出題し、スモールステップの順を飛ばさないことが、進展を形成する。
多少については、また算数の教材の話の時に投稿したい。
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