病院小児科の療育で、27歳のダウン症のまさや君と学習しました。
まさや君は現在、週4日間はグループホームで、週3日間はお家で寝泊まりしています。
グループホームでの生活も、丸1年経って慣れてきました。
まさや君がお家にいないことに慣れなかったご両親も、さみしさをこらえて、最近は何とかお仕事や家事に励んでいらっしゃいます。
まさや君は平日の昼間は、特別支援学校の高等部を卒業してから行っている作業所で、パンのお仕事をしています。
カラオケのマイクと文字で声が出た まさや君
小中学生時代は、大きな声で喋っていたまさや君ですが、ダウン症で構音がはっきりしないからか、23歳頃から音声をほとんど使わない人になりました。
その経過は、以下に投稿しています。
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前回の療育で、お母さんから「移動支援事業で、支援員さんと行ったカラオケで、まさや君が大きな声で歌えた。」と聞きました。
カラオケのマイクとモニター画面の文字があることで、安心して声を出せたのでしょうか。
あるいは、お母さんがスマホに吹き込ませて声を出す練習を重ねていた、iPhone アプリ「絵カード・コミュニケーション」の発声効果が出たのでしょうか。
この年末年始も、カラオケのようなおでかけ行事が、まさや君を元気にするとご両親は考えて、あちこち出掛けたそうです。
特にまさや君は、ご両親と行った温泉を喜んで、私が初めて見るような笑顔の動画を見せてもらいました。
療育では、まさや君が大好きな、ウルトラマンの神経衰弱カードゲームを、喜んでくれます。
ウルトラマンカードゲーム
今回も、新しいウルトラマンのカードゲームを、用意してみました。
カードゲームの箱を見た瞬間から、まさや君がニコニコします。
珍しく、まさや君が自分から、カードの箱を開けようとします。
カードは、ウルトラマンシリーズ、怪獣シリーズ、ウルトラマンと怪獣のシーン、の3種類が入っています。
まさや君の好きなウルトラマンで、お母さんと3人でいつもの神経衰弱をすることにしました。
ウルトラマンのカードの束を取ると、まさや君は自分からトランプのようにカードを切り始めました。
ここ3年ほど、療育でも無表情が続いていたまさや君でしたが、ウルトラマンのカードを自分で手にとって、嬉しそうな笑顔が溢れます。
得意な領域、確定域は、こんなに人を喜ばせるのだ、ということを改めて思います。
仲良くなろうと思ったら、確定域を使わない手はありません。
ウルトラマンの神経衰弱は、まさや君の圧勝になりました。
まさや君はウルトラマンの一人一人の名前を覚えていて、しかもカードの位置をよく覚えていて、カード合わせがとてもよく出来ます。
私とお母さんは、ウルトラマンの服の色とか、ウルトラマンの手の格好とかで記憶しようとしますが、カード合わせはほとんど外れてしまいます。
得意な領域からの 学習への踏み出し
うれしい気持ちのまま、いつもの作文に取り掛かりました。
作文の材料の写真は、お母さんが年末年始の行事を、たくさんスマホに撮って来てくれました。
お母さんはいつも、とても撮影がうまいのです。
それを見ながら、私が選択語群をメモして、iPad「かなトーク」の脇に置きます。
いつもだと、まさや君は右手の人差し指で、五十音表のキーを押します。
その時、小指が他のキーにあたるので、キーの誤作動がこれまではありました。
まさや君は、押し間違えを恐れて、非常にゆっくりとした動作になります。
1文字のキーを押すのに5~10秒ぐらいかかります。
まさや君の押す操作を見ていて、iPad のタッチペンがあれば、ペン先で押すから、指がキーから遠くなり、押し間違えが怖くなくなるのではないか?と、前回、考えました。
そこで、Amazon で iPad のタッチペンを購入し、今回、使ってみました。
ワイヤレス充電 iPadタッチペン KINGONE アップルペンシル互換 iPadペン
予想は、大当たり。
まさや君は、キーを押しやすくなって、話すようなスピードで、どんどん「かなトーク」のキーをタッチして、文章を作ります。
お母さんも、その作文のスピードの速さに、とても驚いていました。
タッチペンを、お家に持って帰ってもらい、お家のまさや君の iPad でも使えるかどうか、確認してもらうことになりました。
まさや君の課題への積極性と、対応処理のスピードをお母さんもとても喜んでくれました。
次回はタッチペンで、文字書きや、お絵描きにも、取り組んでみたいと思います。
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