教育仮設22-1 好きなことがやり取りの基地になる
4歳児・保育園の年中組さんぐらいからは、 TOSS 教材のソーシャルスキルかるたを利用することができる。
TOSSオリジナル教材 / 五色ソーシャルスキルかるた スタートキット
しかし、3歳児・保育園年少組さんぐらいでは、ボール紙のかるたでは頼りなく、もっと運動感覚を満たす、填め板教材のようなものが重要となる。
知的障害や自閉症スペクトラムのある方々でも、同様である。
「席に座らない」理由は、感覚運動を満たす教材がないからだ。
感覚運動を満たす、好きなキャラクターなど、その子の確定域の教材を提示すれば、座る。
月に2回、療育に通って来てくれるL君は、3歳で年少組さん、アンパンマンと恐竜が大好きな子どもさんだ。
L君の好きなアンパンマンと恐竜の教材を、私が毎回用意するので、私のことを「パズル先生」と呼ぶ。
保育園の帰りに、お母さんの車に乗ると、「パズル先生、行く」と、療育に行きたがるという。
アンパンマンの填め板は、ボール紙のものが市販されている。
厚みが少ないので、本当はベニヤ板のものが良いが、市販品で済めば、教材作りは楽だ。
下絵がないので、自宅のプリンターでカラーコピーして切り取り、貼りつけるだけで完成する。
最近では、ボール紙の市販品のパズルにも、下絵があるものが多い。
西松屋にある、発泡スチロールの、アンパンマンお風呂でピタッとは、厚みが1センチ以上あって、とても良い。
万一、子どもが投げても、痛くないし、壊れない。
また、ダイソーの、ソフトな発泡スチロール製の、恐竜などのお風呂パズルも、良かった。
教育仮設22-2 基地となる緩衝行動も大事
L君の基地となる行動は、恐竜で戦いごっこ「バーン」をする行動だ。
面白い教材がないと、すぐその行動に戻る。
L君の脳内イメージに共感して、戦いごっこも丁寧に同行すれば、そこで、「並んでください、集まってください、いってらっしゃい、戻ってください、お部屋に入る」などの、保育場面で使いそうな会話や言葉を形成できる。
ダイソーの恐竜パズルが好きだったが、毎回使って飽きてきたので、下のような恐竜を構成するパズルにしてみた。
この恐竜の構成パズルは、 Amazonで購入した市販品で、 右上の構成の枠もボール紙で縁が浅い。
3歳のL君には、ベニヤ板のしっかりとした枠が必要だが、私が市販品で済ましていた。
それでもL君に力があって、縁が浅いボール紙の枠で楽しんでくれた。
購入してすぐ、自宅のプリンターで、恐竜の絵をカラーコピーして、ラミネーターでラミネートした。
これはとても気に入って、自宅にも持ち帰り、何週にもわたって扱うようになった。
教育仮設22-3 カード重ねでは運動感覚が頼りない
しかし、さすがにこれにも飽きてきたので、西松屋で恐竜の積み木を買って、自宅のプリンターでカラーコピーしてルーズな重ね合わせを作った。
また、 Amazon で恐竜の絵カードを見つけて購入し、ルーズな絵カードの重ね合わせ教材を作った。
現在Amazon で販売中で手に入るのは、大集合‼恐竜かるた
積み木とカード、2つのいずれも、ヒットしなかった。
3歳のL君にとっては、感覚運動を満たす教材ではなかった。
彼の年齢や発達段階では、ぴったり填まる、填め板のような立体教材が魅力的だった。
もしくは、強力な磁石で、感覚運動にフィードバックがある、重ね合わせがよかった。
感覚を満たす、桃源堂のカラフルな木製立体教材を出したところ、椅子に座り、しっかりと注視して、姿勢も良く、熱心に取り組んだ。
3歳のL君には、木製で、立体的な、しっかりとした教材で、感覚運動を満たすことが大事だと、改めて確認した。
そこで、再び、西松屋でアンパンマン おふろでピタッとを探した。
教育仮設22-4 運動感覚を満たす教材が一番大事
以下は、家庭でもお母さんが簡単にできる、作り方である。
①しっかりとした、厚みのある、お風呂パズルを購入。
➁Amazon の段ボールや、お菓子の箱の中のボール紙を取っておき、それを台紙にする。
③そのままでは下絵がないので、自宅のプリンターやコンビニのコピー機で、パズルを外さずに、そのままカラーコピーする。
④パズルの枠の大きさにハサミかカッターで、ボール紙を切る。
⑤ボール紙の台紙に下絵のカラーコピーをアラビックヤマトのりか、両面テープで貼る。
⑥その上に、パズルの枠を、水性ボンドでしっかりと貼り付ける。
⑦ボール紙とパズルが、ボンドの水分で湾曲しないように、雑誌などの重石を乗せて、乾くまで数時間待つ。
これで完成である。
ベニヤ板を、糸鋸でくりぬかなくていいので、誰にでも簡単にできる。
L君のように、感覚運動を満たしたい3歳児、あるいは知的障害や自閉症スペクトラムのある方々には、ソーシャルスキルトレーニングも、填め板や強力磁石で行なうことが必要だと思った。
そこで教材を改変する。
新しく、ベニヤ板を糸鋸でくりぬく作業は、丸1日がかりで、私に行動が起きにくいので、市販品の積み木 パズル はめ込みを利用する。
くり抜かれたピースと、枠の下絵部分に、ソーシャルスキルの絵を貼るだけで完成する。
感覚運動を満たせれば、アンパンマンや恐竜でなくても、L君が興味をもってくれるだろうか。
L君の、ソーシャルスキルの興味関心度が、楽しみである。
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