算数2桁の表記と繰り下がりの方法

教材No.32-1 11以上の数表記 2桁

 最近、算数に渋滞を示す小学1年生と、学習した。

心理検査WISC―Ⅳでは、 IQ が100前後あり、言語発達は歴年齢発達に相当していた。

算数は、10までわかるが、11・12・13という表記ができなかった。

これは先に、10と書かせて、0の上に、1・2・3を重ねて書かせた。

本人の理解に及ばない、新しい算数表記の取り込みは、ひどく疲れる風に見えた。

学校から帰ると、疲れて、夕方は寝てしまうそうだった。

その結果、入眠が深夜になり、朝起きられず、 登校が億劫になる様子があるということで、相談に見えた。

情緒特学をおすすめし、情緒特学を基地に、算数を個別に教えてもらうことを勧めた。

教材No.32-2 十進法の表記

一の位、十の位、百の位を、言語理解で難なく越えていく子どもがいる。

一方で、上記の子どもさんのように11でつまづく子どもがいる。

➀表記の練習は、いらないカレンダーなどを使って、カレンダーの下に数字タイルで10以上の2桁を構成する。

一旦10と構成し、1の位の0の上に、数字タイル1・2・3をのせることで、11・12・13を納得する子どももいる。

いらないカレンダーの日付の下の開いている空間に、11・12・13など 10 を書いてから、一の位に1・2・3をのせて書く練習を沢山すると良い。

➁それだけでは納得できない、さらに論理的な子どもさんには、10+αを使う。

11とは10+1、12とは10+2、13とは10+3だ。

この時、数字タイルを左の式から=の右へ移動させて11・12・13を構成させると良い。

10の数字を=の右に移動させ、0の上に数字の1を置く。

12も13も行なう。

2桁の構成の初めは、数字タイルを置きやすいしっかりとした枠を使って行ない、次に太枠線のようなもので2桁を構成し、さらにはホワイトボードで行ない、最後にプリントと鉛筆で行なうと良い。 

プリントでも、=の右の答えの欄に、一旦10と書いた1の位の0の上に、数字を重ねて書くことで、11・12・13を納得する子どもがいる。

10+1桁=をたくさん練習するといい。

③プリントに興味を持てない子どもさんには、ホワイトボードに黒マーカーで、10と書いた0の上に、赤マーカーで1の位を書き足して行くのでも良い。

3つの方法のいずれにしても10+1桁=をたくさん練習するといい。

いらないカレンダーの日付の下の開いている空間に、 10 を書いてから、1の位に1・2・3を重ね書きして、11・12・13、と構成する練習も、沢山すると良い。

11とは10+1、12とは10+2、13とは10+3と、子どもがその意味を取れれば良い。

教材No.32-3 減算の記号の意味

数字の表記が自由自在になれば、2桁以上の足し算・引き算も学習しやすい。

教材No.30(2020/10/4)で、加減算の記号の意味を伝えるには、加算減算同時提示で、+ーを比較照合させることを紹介した。

取り去る・引いてなくなってしまうという意味が難しい子どもさんには、下の画像のような捨てる箱・なくなる箱に、蓋を付けて使う計算盤(中野考案)も使って、減算の意味を強化する。

教材No.32-4 被減数11以上の引き算

被減数11以上の引き算は、その前段階として、引き算は10―β をたくさん行なう。

次に11―β をたくさん行なう。

この時、10の中からβ を取るということを意識してもらう。

つまり、11―β=(10+1)―β=(10―β)+1である。

この時、11を10と1に分解して理解できる子どもは、それで良い。

11を10と1に分解して、10の中から β を取るということが難しい子どもの場合には、お金を使う。

10の塊は、算数ブロック10個でも良いのだが、ブロック10個の大きさが大きいので、お金の10円はコンパクトで扱いやすい。

10の塊ということを、意識してもらうには、10円玉を使うとわかりやすい。

10円玉を1円玉に交換することで、10の中から引き算することを強調できる。

桁が上がって、百の位・千の位が登場したときも、同様である。

お金を使うと、繰り下がりで1個借りてくるお金が10個に等価交換されることがわかりやすい。 

いつも下のランキング投票画像をクリックしてしてくださり有難うございます。

人気ブログランキング

にほんブログ村 猫ブログ 元野良猫・元保護猫へ

 病院小児科で臨床発達心理士をしています。
 梅津八三の心理学、行動調整法、子どもの行動理解、育児、教材、ソーシャルスキル、介護、猫の行動について投稿中です。

#猫ちゃんをフォローする
数・算数・数学
#猫ちゃんをフォローする
スポンサー広告リンク

猫ちゃんブログへのコメント

タイトルとURLをコピーしました